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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

イタセンパラ生育状況調査

2020年09月25日
立山 佐藤 裕子

よろしければ前回の調査の様子をご覧ください。

 ・2020.7.21アクティブレンジャー日記

 ・2020.7.28アクティブレンジャー日記

先日、イタセンパラの生育状況確認調査のため、再び氷見市に向かいました。

氷見市役所 氷見市教育委員会へ伺い、教育長から昭和の子供の頃の氷見の様子を聞くことができました。

氷見市は能登半島の付け根に位置し、海も森も近く、自然豊かな場所です。

氷見と言えば「ブリ」が有名ですが、昔は子供が今晩のおかずを捕まえてくるのが当たり前だったため、冬の海は寒く釣りができず、川で捕れる魚は貴重なたんぱく源でした。

川魚の中でもフナは重宝され、イタセンパラは(その感触か見た目からか)「ベト」「ベコ」「ベッチョ」と呼ばれ、捕えてもすぐに捨てられる魚でした。

■ひみラボ水族館で飼育されているイタセンパラ(オス)

オスの婚姻色は、腹が赤くなり、ヒレが黒くなりますが、飼育されているものは日照不足によるものなのか、赤みがわかり辛いようです。

イタセンパラオス

イタセンパラは昭和496月に文化財保護法・天然記念物(文化庁)、

平成7年に絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)・国内希少野生動植物種(環境省)に指定されていますが、現代では川に入る機会は滅多に無く、普段の生活で目にすることがないため、氷見市民であっても認知度が非常に低い状態でした。

イタセンパラが地域の宝であるとの認識を高めるため、氷見市教育委員会では市内小学校の総合学習の授業にイタセンパラを教材として用い、生徒による飼育活動や出前授業を行うなど、積極的に普及啓発活動も行い、生息地の保全活動に繋げられるよう尽力されているそうです。

また、イタセンパラを表紙に用いた(かの有名な)学習帳を作成し市内の小学1、2年生に配布しているそうです。

■ひみラボ水族館で発売中!

(市内の小学生で2冊目が欲しい場合は100円で購入可)

◯ャポニカ学習帳

■現在、イタセンパラは教科書にも掲載されているそうです!

■その後、保護池に定置網を仕掛けました。

結果は後日、一ノ枝ARがアップします。