アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
イタセンパラ調査~イタセンパラとひみラボ水族館~
2020年07月21日こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の一ノ枝です。
7月18,19日の2日間でイタセンパラの調査があり、そちらに同行をさせていただきました!私は19日に参加しましたので、今回はそのご紹介です。
「イタセンパラ」とは、淡水魚(分類:コイ科タナゴ亜科タナゴ属)で「国指定天然記念物」、「国内希少野生動植物種」になっています。
<ひみラボ水槽内のイタセンパラ>
また、「環境省のレッドリスト2020」の絶滅危惧IA類に選ばれています。(IA類...ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの。現在71種類が指定されている。詳細を知りたい方はこちら)
つまり簡単にいうと、とても希少で、絶滅の危機に瀕している生き物です。。
イタセンパラの生息地は、岐阜県の木曽川水系と大阪府淀川水系、そして富山県氷見市の万尾川(モオガワ)水系の3カ所でのみ生息が確認されています。
富山県氷見市の、イタセンパラの生息状況を調査する拠点となるのが「ひみラボ水族館」です。
「ひみラボ水族館」は、富山大学理学部と氷見市連携研究室が開設されており、地域密着型の「水族館」です。イタセンパラだけでなく、地元の自然を通して、身近な川の生き物を見ることにより、自然に対する関心を高めてもらうことを目的としています。
しかも入場料は無料です!!気軽に、(しかも無料で)身近な水の生き物と触れあう機会がある氷見市の皆さんは羨ましい限りです。もちろん、市外・県外の方も入場無料となっています。
今回の調査は、ここを拠点としてイタセンパラの生息地である川へ行き、しかけていた網にどんな魚が入っているのかの調査を行いました。調査風景などは、残念ながらお見せできないのですが、この日イタセンパラを確認することはできませんでした。
ひみラボ水族館は、元小学校であったこの施設を活用して様々な展示があります。
イタセンパラの生態を知るのにはもちろんのこと、それ以外にも、在来種や外来種のことや学生との研究結果をわかりやすく紹介しているなど、面白い展示が色々ありました。
身近な水生生物を見て・遊んで・知って・学ぶ機会にぜひ、ひみラボ水族館へ足を運んでみてはいかがでしょうか。