皆さん、こんにちは。 白山自然保護官事務所の大石です。 梅雨の時期になりました。 恵みの雨をもたらす梅雨ですが、それでも晴れの日の方が好きという人も多いですよね。私も青空の見えるお天気が好きです。 でも、長雨の時期だからこそ魅力が増す場所もあります。 それは『平泉寺白山神社(へいせんじはくさんじんじゃ)』です。 (雨の日の平泉寺白山神社境内) 場所は福井県勝山市。 公共交通機関なら、えちぜん鉄道勝山駅から勝山市のコミュニティバスで行くことができます。自家用車なら北陸自動車道の福井北インターから約35分。 駐車場に車を止めたら、さっそく散策に出発しましょう。 まずは石段を登って鳥居をくぐります。 (平泉寺白山神社の石段。奥に鳥居があります。)
鳥居をくぐると、スギが立ち並んだ参道が現れ、外とは違った雰囲気に・・・。
(スギが立ち並ぶ参道) 途中、「旧玄成院(げんじょういん)」という庭園があったり、平泉寺の名前や白山を開山した僧泰澄大師に関わりのある「御手洗池(みたらしいけ)」があったり、見どころが点在しているので、行きでも帰りでもいいので、立ち寄るといいでしょう。どこも素敵な場所です♪ 奥にある二の鳥居をくぐれば、コケ植物が一面に深緑の海のように広がる境内があり、神秘的な雰囲気に包まれています。 (深い緑色にコケが輝く雨の日の境内) もちろん晴れた日も素敵です。 (晴れた夕暮れ時の境内。金色に輝いています。) この一面に広がるコケ植物の中で、一番よく目にするのはヒノキゴケ。 別名イタチノシッポ。 イタチのしっぽです。 しっぽ。 (ヒノキゴケ。別名イタチノシッポ。触りたくてうずうずします。) 名前の通りのふわふわした姿を見ると、私はいつも触れたくなってしまいます。 透き通った緑に癒されますね~。 私たちが日々見ている木や草などは、立派な根で水や栄養分を吸収しています。 これに対して、コケ植物は根が発達していません。その代わりに体の表面全体から水や栄養分を吸収していて、水などを体に取り込みやすいように多くのコケ植物の葉は細胞1層だけでできています。(この体のつくりが、あの透き通った姿を作っています。) 癒されながら更にじっくり観察すると、お爺さんの白髪のようなホソバオキナゴケやモールのような雰囲気のハイゴケ、テカテカした光沢のあるコムチゴケなど様々な種類のコケが生育しているのが見えてきます。地面、石の上、木の根元・・・それぞれにどんなコケ植物が生育しているか、のんびり観察しちゃいましょう♪ ちなみに境内のコケは大切に守られています。柵の中に入ったり、植物を踏みつけたりせず、愛をもって優しく観察しましょう。持ち帰りもしないでくださいね。 コケ植物観察をしていると、歩みがゆっくりになり、ちっとも前に進んでなかった!ということも度々あります...。なので、帰りの時間にだけは気をつけてくださいませ。
☆ 平泉寺白山神社 と その周辺 ☆ 平泉寺白山神社はかつて白山信仰の拠点として栄えた場所で、国史跡「白山平泉寺旧境内」に指定されています。白山平泉寺について学べる施設「白山平泉寺歴史探遊館まほろば」や北陸最古といわれる庭園「旧玄成院庭園」(国の名勝。拝観料あり)もあります。また、日本の道100選やかおり風景百選などにも選定されていて、歴史や文化に興味を持っている方も楽しめます。
平泉寺白山神社の周辺には、全国的にも有名な『福井県立恐竜博物館』や絹織物の羽二重等について体験を通して楽しく学べる『はたや記念館 ゆめおーれ勝山』などがあります。『恐竜渓谷ふくい勝山ジオパーク』として認定されているエリアでもあるので、見どころがいっぱいです。
☆過去の「おうちde白山国立公園の旅」もよければお楽しみください☆
▶ 2020年05月01日#STAYHOME おうち de 白山国立公園の旅!その1 刈込池 ▶ 2020年05月19日 #STAYHOME おうち de 白山国立公園の旅!その2 樹齢1800年!神秘の大樹に出会う石徹白の旅 ▶ 2020年05月23日 #STAYHOME おうち de 白山国立公園の旅 その3 南竜(南竜ヶ馬場)
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