皆さん、こんにちは。 白山自然保護官事務所の大石です。 最近はテレワークの日が多く、数回に1回巡ってくる事務所勤務が待ち遠しく、ありがたくなってきました。 さて、ゴールデンウィークに突入しましたが、外出自粛の日々が続きますね。 私は、部屋の模様替えをしたり、野菜作りにチャレンジしたり、これまでなかなか取り組めずにいたことをして休日を過ごしています。 しかし、家のことばかりを考えていると、だんだん気が滅入ってきます。 皆さんもきっと同じではないかと想像しています。 そこで、 おうちにいながら、白山国立公園にいる気分を少しでも味わってもらえるように、アクティブ・レンジャー日記上で、皆さんを旅へご案内したいと思います。 では、出発しましょう! 【 おうち de 白山国立公園の旅! その1 ブナと生き物と伝説を堪能する刈込池へ(福井県大野市)】
刈込池は 秋の紅葉シーズンが人気の場所で、季節になると地元のニュースで必ず紹介されるスポットです。 (刈込池。2018年11月2日撮影) 国道158号から勝原駅方面への分岐を進み、やや狭い川沿いの道路を対向車に注意して20分ほど走ります。そこから急斜面&ヘアピンカーブの道を10分ほど行くと、小さな池のある小池公園に到着。公園の奥へ直進すると、スタート地点の駐車場に到着です。
(駐車場横のハイキング道入り口) ここから先はトイレがないので、駐車場脇のトイレでしっかり済ませましょう。(山奥で管理にお金がかかるのでトイレチップをお願いしています。)
歩き始めてすぐ・・・ (クリの巨木) 大きな栗の木に出会います!木の下には成人男性が一人いますが、わかりますか?木が巨大過ぎて小さく見えます!! さらに進むと分岐に到着。 どちらを選んでも刈込池に行ける周回コース。右は石段コース。左は岩場コース。どちら周りかで大変さが異なります。あえて今回は「健脚向き」の石段コースを選んでみましょう。 しかし、橋を渡ると不穏な表示が・・・・。 (左:分岐、右:686段・・・不穏な表示) 刈込池まで本当に686段かどうか、途中で数が分からなくなりましたが、段はたくさんあります・・・。 (果てしなく続くように見える階段) ここだけの話、コース上には自然を紹介する解説板が何か所も設置されているので、それを読むという口実でゆっくり休憩がしやすいです。勉強にもなるし、一石二鳥! でも、外出自粛が解除されたとき、刈込池に行きたいと思っているそこのあなた!家の中での筋トレをおろそかにしてはいけません。油断せずに鍛えましょう。 階段を上り続けた後、ご褒美のようなブナの巨木の間を気持ちよく進むと、刈込池に到着です! 初夏の刈込池の水面に緑が映り込む様子はとても神秘的で、まるで東山魁夷の絵画「白い馬の見える風景」のよう・・・。
ただし、ここは刈込池。 水面に映る白い物は馬ではなく、卵。 (緑響く 白い卵の見える風景) 一体何の卵?? 答えは モリアオガエル。 池の畔に立って木々を仰ぎ見れば、そこには今まさに産卵しようとしているモリアオガエルのカップルがいるかもしれません。卵から生まれた愛しいオタマジャクシが、ちゃんと水へ飛び込めるように、水面に張り出した枝に産卵します。 (左:モリアオガエルのカップル、右:あっちにもこっちにも卵!卵!卵!) そして、池の中をのぞけば、そこにはアカハライモリが・・・意外とたくさんいます。手を差しのばすと、アカハライモリが寄ってきてしまう人も中にはいるようです。 (催眠術にかかったかのように集まってくるイモリたち(赤矢印)) イモリやカエルたち両生類のパラダイスである刈込池ですが、実はヘビに関する伝説があります。 ~ むかしむかし、今から1,300年以上も昔、白山には大蛇が3,000匹もいたそうな。蛇たちは暴れ回って山麓の人を困らせておった。そこで、白山を開山したことで有名な泰澄大師という人が法力で3,000匹のヘビを封じ込めた。~ 何とこのうち1,000匹が刈込池に封じられているそうです。 刈込池から見える三ノ峰の中腹に剣ヶ岩という巨大な岩がありますが、泰澄大師がここに大剣を突き立て、剣の影が池に映るようにしたところ、蛇たちは剣が怖くて出てこられなくなったんだとか・・・。 大蛇が1,000匹も出てきたら大変なことになりそうですから、これからもしっかり封じられているといいですね。 刈込池を堪能したら、ブナの巨木の森を楽しみながら駐車場へ戻ります。 (ブナの巨木の間を歩く)
さあ、長旅、お疲れ様でした。 1周するとコースタイムで2時間ほどの刈込池の旅は、いかがでしたか? 686段の階段を上る筋肉を、おうちでしっかりつけておきましょう♪
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