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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

藤前干潟にはどれだけのゴミが落ちているの?

2013年05月08日
名古屋
 国指定藤前干潟鳥獣保護区内にて、昨年8月から
今年の3月末まで行われていたゴミ清掃調査の結果が
出揃いましたのでお知らせします。詳しい調査方法は
「こちら」をご覧下さい。

 藤前干潟鳥獣保護区内におけるゴミの総回収量は
34回の調査で1937.5kgとなりました。重量の割合を見ると、
一般可燃ゴミが845.7kgと最も多く、次いで不燃ゴミ
(429.5kg)、生物に影響を与えるゴミ(345.4kg)
となりました。


【鳥獣保護区内で回収されたゴミの総量(全34回調査)】



【藤前干潟鳥獣保護区内におけるゴミの分布状況】

 鳥獣保護区内のゴミの分布については、藤前地区及び
新川地区、中堤地区で互いに類似した傾向を示しました。
可燃ゴミは全体の約半数を占め、生物に影響するゴミと
シート状のゴミ、不燃ゴミは互いに11~22%を占めています。
 
 庄内川地区では、不燃ゴミが38%と最も多く、次いで
シート状ゴミ(26%)、可燃ゴミ(24%)となりました。

 生物に影響を与える発泡スチロールは、エリア内に
広く分布していました。プラスチック破片は、藤前地区及び
中堤地区で多く出現し、シート状のゴミは中堤地区の一部、
ペットボトルは新川地区の一部で多く確認されました。


【新川地区で多く見られたペットボトル】

 ヨシ原や堤防周辺では、プラスチック製品や
ペットボトル等の浮遊性ゴミが顕著に見られ、
家電製品や自転車等の大型不燃ゴミは不法投棄と
思われる物が多いようです。
 
 新川地区と庄内川地区の一部区域は、
釣りスポットとなっており、その周辺では釣り糸や
釣り針が多く見られ、鳥類にとっては脅威となって
いる様子でした。



【新川右岸及び中堤(左)と庄内川(右)で回収された釣り糸】

 今回の調査結果から推定したところ、
ゴミ清掃調査を行う前には、藤前干潟
鳥獣保護区内において25267kgのゴミが存在し、
今回の調査で回収された量を除いても23330kgの
ゴミが水域内に取り残されている可能性があります。
今後も引き続き調査を実施することで、ゴミの経年的な
分布変化が明らかになるのではないでしょうか。

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◆「藤前干潟マイスター講座」を開催します

 藤前干潟が2012年11月18日にラムサール条約登録
10周年を迎えたことを記念して、藤前干潟の生物や
環境に関する講座「藤前干潟マイスター講座」を開催します!
  干潟や生き物、環境に少しでも興味がある方ならどなたでも歓迎です。
この機会に藤前干潟の魅力を知り、知識を楽しく深めませんか?

第一回は下記の通り開催予定ですので、是非お越し下さい。

第一回「藤前、不思議発見!」
日時:5月18日(土)13:30~15:00
内容:藤前干潟とその周辺の地域の歴史を紹介し、
   この地域の魅力を再発見します。
場所:稲永ビジターセンター レクチャー室
申込方法:事前申込不要(当日、稲永ビジターセンターで受付)
募集人数:制限なし
受講料:無料