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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

志賀高原の成り立ちと今(1)

2012年09月07日
志賀高原
8月31日の記事で「志賀山や裏志賀山から見える池の中には、志賀山が噴火した時の火口に水が溜まってできたものがあるそうです」と書きました。
志賀山の約5万年前と言われている噴火は、志賀高原で最も新しいものです。この噴火で流れ出した溶岩を見ることができます。



写真は志賀山の噴火で流れ出た溶岩からできた岩です。岩の重なった部分の下をくぐって向こうへ抜けられます。現地の解説によると「溶岩は粘り気の強いもので、固まりかけた溶岩を後から流出した溶岩がおしこわし、さまざまな大きさの岩塊の集まりをつくった」とあります。
この岩塊はたまたま地表に見えていますが、地中にもこのような岩塊の集まりがあるのでしょう。しかし、その上に現在では林ができています。時間の経過とこの林を造った生物の営みのすごさを感じます。


<溶岩からできた岩の上に株立ちのようになったクロベ(ネズコと呼ぶ人もいる)>


岩塊が集まっているので、風穴があります。写真では苔むした岩の重なり合った場所としか見えませんが、確かに冷たい風が吹き出ていました。


<2種類の針葉樹の稚樹(芽生え)、コケ類、地衣類、落葉、落枝。>

さて、これらの写真は志賀山の北にある「おたの申す平」と呼ばれる場所で撮影しました。一帯はユネスコエコパークの核心地域(※)になっています。
入口となる信州大学志賀自然教育園から自然観察路が整備されており、解説板があります。解説があるので自然の営みをより深く知ることができます。また、園内には他にもみどころがあります。ただし、急な階段や傾斜のある木道など足元に注意を要する箇所があります。気を付けてお楽しみください。

※志賀高原は、ユネスコ(UNESCO:国連教育科学文化機関)が、生態系の保全と持続可能な利活用の調和(自然と人間社会の共生)を目指して進める「MAB(Man and Biosphere:人間と生物圏)」計画の中心事業である生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)に登録されています。「おたの申す平」はその核心地域として設定されています。
読んでも分かりにくいと思いますが。志賀高原、MAB、ユネスコエコパークという言葉が何となくつながって皆様の頭の隅に残ればよいと思います。
なお、日本では志賀高原の他、白山、大台ケ原・大峰山、屋久島、綾がユネスコエコパークに登録されています。