アクティブ・レンジャー中部地区
環境省藤前干潟活動センターでの生き物観察会の様子藤前干潟活動センターでの生き物観察会の様子
石ころ干潟観察会~小さな生きものに注目しよう!石の裏の生き物たち~ と、海のマイクロプラスチックゴミ
2026年10月28日
名古屋
藤前干潟に集う皆さま、こんにちは。
名古屋自然保護官事務所の荒木です。
10月10日(土)、藤前干潟活動センター近くの石ころ干潟で、
「石ころ干潟観察会 ~小さな生きものに注目しよう!石の裏の生き物たち~」が開催されました。
さて、この石にはちいちゃーな生き物がいます。何がいるでしょうか?答えは後半に。

今回の観察会のテーマは、普段は見過ごしてしまいそうな、小さな生きものたちです。
石の下や泥の中には、どのような生きものが暮らしているのでしょうか。
晴天の秋らしい天候に恵まれながら、干潟へお邪魔します。
藤前干潟活動センターに集合し、本日の予定を聞く参加者たち。

「干潟の生き物の皆さん、お邪魔します」と言ってから入ります。
石ころをそっと持ち上げると……?

干潟に到着した参加者は、家族ごとにバケツを持ち、小さな生きものを探しました。
一見すると何もいないように見える石ころ干潟ですが、石をそっと持ち上げたり、
泥や海水の中を注意深く観察したりすると、カニやヤドカリ、貝、ゴカイの仲間など、
さまざまな生きものが見つかります。
石ころを上げる時はそーっと、そして戻すときもそーっと、石を戻すときにはカニを潰さないように気を付けて!
見つけた生きものをじっくり観察
干潟での採取を終えた後、センターに戻り、生きものを観察しました。
スタッフからは、それぞれの生きものの体のつくりや暮らし方、生息環境について解説がありました。
ヤドカリやゴカイなど、もぞもぞ…と動くものたちが…!

ヤドカリは、巻貝の空いた殻などを利用して暮らす甲殻類です。
外からは大きなハサミや歩くための脚がよく見えますが、殻の中にも小さな脚があり、
ヤドカリが殻をつかんで離れないように使われています。
そのため、外から見える脚だけを数えても、本来の脚の数は分かりません。
ヤドカリは、カニやエビと同じ十脚目の仲間です。

なんの貝かな~?

ハサミに毛のあるケフサイソガニの仲間
カニの中には、ハサミの部分におけけ(毛房)がある子がいました。
カニの仲間を調べるときには、甲羅の形や色だけでなく、ハサミに毛があるか
脚はどのような形をしているか、どのような場所で見つかったか、といった点も手掛かりになります。

ヤマトオサガニ
(普段は泥の中から目だけ出てますよ…)

干潟には、泥の中にいるカニもいます。餌を食べるときには出てきますが、鳥などの大きな生きものが近づくと、すばやく泥の中に逃げ込みます。高い位置にある目は、周囲を見渡し、危険を見つけるのに適したつくりです。
ゴカイ類
泥の中からは、細長い体をしたゴカイの仲間も見つかります。
ゴカイ類は干潟では泥の中の有機物などを食べ、鳥や魚、カニなどの餌にもなります。干潟の中で「食べる側」と「食べられる側」をつなぐ、大切な生きものです。
小さな生きものが鳥たちを支えている
藤前干潟には、シギ・チドリ類やカモ類など多くの渡り鳥が飛来します。長距離を渡る鳥たちには休息地である陸地、多くの生き物がいる干潟が必要です。鳥たちの食べ物になるのが、ゴカイや貝やカニなど、そしてそれらはプランクトンやヨコエビなど小さな生きものを食べています。
石ころや泥の中の生きものは、人の目には目立たない存在ですが、一つ一つの生きものが食物網の一部となり、干潟の豊かな生態系を支えています
―海のごみ―
石ころ干潟から戻ってきた二宮ARの長靴に釣り針が刺さっていました。

釣り針はカニや野鳥に絡まり、死なせてしまう恐ろしいゴミとなります。
干潟には、自然のものだけでなく、陸や川などから流れ着いた釣りごみやプラスチックごみで一杯です。
プラスチックは干潟に細かく砕けて残り続けます。細かくなったものを生きものが餌と間違えて取り込む可能性もあります。干潟の生きものを守るためには、海岸でごみを拾うだけでなく、普段の生活から使い捨てプラスチックの使用を控えたり、ごみを減らし、自然の中へ流出させないことが大事になります。
マイプラを乗せて生きるカニ
観察会とは別の日、満潮時の海面に浮かぶゴミの上を歩くカニを見つけました。
甲羅の上にマイクロプラスチックや発泡スチロールの粉を乗せていました。
カニは物の表面の微生物を食べています。
ハサミでつまんだものを繰り返し口に運んでいましたが、水面はマイプラだらけ。
人間なら、食べ物が乗っているテーブルも部屋の中も外に出ても周囲全てがプラスチックごみで
埋まっている生活です。

さて、冒頭クイズの答えです。
石をじーーーーーっと見つめると、動くものが!小さなヨコエビでした。
