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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

ひがたにくるトリ、どんなトリ?

2024年12月18日
名古屋 二宮 準子
皆さま、こんにちは。
名古屋自然保護官事務所、アクティブ・レンジャーの二宮です。
干潟が現れると集まってくる鳥たち。ハマシギも大群でやってきます。
朝の光を浴びて、キラキラと輝いて踊っているようにも見えます。

さて、去る12月1日(日)、名古屋市が主催する「藤前干潟ふれあい事業」の大人気イベント、
「ひがたにくるトリ、どんなトリ?」が開催され、スタッフとして参加しました。
ご家族連れのお客様など、30名の方に参加いただきました。
まず最初に、名古屋市スタッフより、藤前干潟がごみの埋立処分場となるところを、
市民を中心とした運動により計画が中止され、藤前干潟が守られたお話をしました。
次に、藤前干潟にはどんな鳥が集まってくるのか説明を聞いたら、
いよいよフィールドスコープ(望遠鏡)を使っての観察タイムです。スタッフがスコープの使い方、
鳥のいる場所、名前などを説明します。
「あの鳥の名前は?」「何を食べているの?」など質問が飛び交い、スタッフは大忙しです。
 
次に、大人も子供も楽しめるお待ちかねのカモのデコイ塗りの時間です。
デコイとは、昔、狩猟のため「おとり」として使われた木彫りの鳥の模型です。
まず、デコイを使って藤前干潟に鳥たちが集まる様子を寸劇で紹介しました。
私たちの出番はここです!皆さん、温かい眼で(?)見守ってくださいました。
そしていよいよデコイ塗りの時間。皆さん思い思いの色で塗っていきます。時間を忘れて真剣な様子。
大人は慎重に、子供は大胆に?   さあ、出来映えはどうかな?
完成したデコイは、今日の記念にお持ち帰りいただきます。大切にしてくれるといいな。
 
 
私たちが小学校などに出向いて行う出前講座とは違い、実際に藤前干潟に来ていただくことで
感じることもたくさんあるのかなと思いました。
藤前干潟が鳥たちにとって大切な場所であることを楽しく学べる楽しいイベントでした。

【ちょこっと、ハマシギのおはなし!】
藤前干潟ではおなじみのハマシギ。1,000羽近く飛来してくる日もあります。
大群でやってきて、干潟の砂泥にくちばしを突っ込んで採餌していると思ったら、
ふとした瞬間に一斉に飛び立ち、向きを変える時も、見事にそろって方向転換をします。
ハマシギの冬羽は灰色でお腹の部分は白くモフモフしていますが、夏羽は赤褐色で、
お腹に大きな黒い斑があります。今年は夏羽の時期を見逃してしまったので、また来年です。