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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

閉山後の上高地

2024年12月18日
上高地 松下裕之
こんにちは。上高地アクティブ・レンジャーの松下です。

上高地ですが、閉山後にしかできないメンテナンス作業がたくさんあります!
例えば、インフォメーションセンターやビジターセンター、ホテル旅館、トイレといった施設では、営業終了後に通水管の水抜きやメンテナンス・改修工事が行われます。また、園内歩行路は、厳しい自然環境や地域関係車両の通行で舗装部分が町中よりも短期間で傷むため、閉山後に補修工事を行います。その他、今年度は河童橋床板の部分補修や田代湿原デッキの補修箇所の現地確認など行っていますが、いずれも上高地を訪れる方が多い開山時にはできない作業ばかりです。

最近、冬期巡視で上高地に入った時に驚くことがあります。それは普段着に普通の運動靴で入山する人が非常に多いということです。注意事項となりますが、閉山後の上高地はすべての施設が閉鎖され、沢渡・平湯から上高地内にアクセスする路線バスやタクシーの運行がないなど、通常の公園利用サービスは提供されていません。閉山後の上高地はマイナス20度以下になる冬山であり、普段着に普通の運動靴で入山すると凍傷や低体温症等で命を落とすリスクがあります(2023年2月には大正池付近で雪崩に巻き込まれ重傷を負う事故も発生しています)。冬期入山する際は、事前に天候を確認、適切な冬山装備を準備し、冬山を熟知した人と一緒に入山するなどして、安易な入山は控えて下さい。
■『上高地冬期入山ルール』を必ず守ろう
https://chubu.env.go.jp/shinetsu/pre_2024/press_00157.html

園路の舗装


河童橋床板補修工事


閉山後の河童橋


田代池


田代湿原