アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
秋ですね!
2024年10月24日
アクティブ・レンジャー中部地区
みなさん、こんにちは。
伊勢志摩国立公園管理事務所ARの三好です。
10月も後半に入り、陽が沈むのが随分早くなりました。【暗くなると早く家に帰りたい→定時まで家に帰れない→気分が落ち込む】という負のスパイラルに襲われているのは私だけでしょうか。
日中と夜間との気温差も大きく、体調を崩しやすい季節ですが、みなさん体調管理できていますか。
今回は、伊勢志摩国立公園内の鳥羽市、志摩市、南伊勢町の3カ所で撮影した仲間たちを紹介したいと思います。季節は10月中旬です。
秋ですね!
【マルトビムシの一種】
【クロベンケイガニ】
【アカサビザトウムシ】
【ハグロトンボ】
【ヤマアカガエル】
【ミズタビラコ】
【ヒメジソ】
【コナギ】
【ホシクサの仲間】
【アキノタムラソウ】
【ニシキギ】
【イボクサ】
【タコノアシ】
【ミノムシ】
伊勢志摩国立公園管理事務所ARの三好です。
10月も後半に入り、陽が沈むのが随分早くなりました。【暗くなると早く家に帰りたい→定時まで家に帰れない→気分が落ち込む】という負のスパイラルに襲われているのは私だけでしょうか。
日中と夜間との気温差も大きく、体調を崩しやすい季節ですが、みなさん体調管理できていますか。
今回は、伊勢志摩国立公園内の鳥羽市、志摩市、南伊勢町の3カ所で撮影した仲間たちを紹介したいと思います。季節は10月中旬です。
秋ですね!
【ベニトンボ】
秋の湿地帯には見掛けない真っ赤なアカトンボが飛んでいました。お尻はどちらかというと濃いピンク色をしています。調べるとベニトンボのオスだと分りましたが、本来このトンボは台湾以南の東南アジアやインドなどの熱帯に棲息しており、日本では1954年初めて鹿児島県で見つかりました。三重県では2020年に確認されていますが、今でも北上を続けているそうです。地球温暖化に伴う分布拡大種として知られています。
【マルトビムシの一種】
オオケマイマイの上部に引っ付いているのが、マルトビムシの一種です。本当に小さく2ミリ程度しかありません。トビムシ目マルトビムシ科に属し、翅は持たず土壌や樹上などでカビやキノコなどを食べて生きています。本当はオオケマイマイを紹介したかったのですが、小さいのが気になって仕方ありませんでした。
【クロベンケイガニ】
雨後の路面には屈強なヤツが歩いていました。クロベンケイガニは半陸性のカニで、冬は穴を掘って土中で冬眠します。この子は甲長が10センチぐらいでしたが、最大30センチを超えるのもいるそうです。見てのとおりハサミの力が相当に強く、捕まえたときにきっちり挟まれて出血しました。痛~ッ!地域によっては希少なカニです。
【アカサビザトウムシ】
山林に入ると、木々の間にザトウムシが歩いていました。ザトウムシ目カワザトウムシ科の節足動物で、足が8本あるのでクモに見えますが、ダニやサソリに近い生き物です。昆虫、生物の死骸、植物、キノコなど何でも食べます。俊敏に動けず、物の隙間に隠れるのが苦手なため、昼間は基本的には動かず夜間に活動するそうです。
【ハグロトンボ】
水辺には、かわいいハグロトンボが休んでいました。5月から10月頃まで見られるということで、もう最後の姿かもしれません。お盆の時期に姿を現すことから、古くから先祖の魂を導く存在として信じられてきました。来年も神様トンボに出会えますように・・・。
【ヤマアカガエル】
山地へ足を踏み入れると、ヤマアカガエルが迎えてくれました。日本固有種で、近似のニホンアカガエルとは背側線の折れ曲がりで区別できます(ニホンアカガエルは背側線がまっすぐ)。地域によっては大変希少なカエルです。
【ミズタビラコ】
ジメジメした空気の中、斜面にはミズタビラコが数株だけ本当に小さな花を咲かせていました。5月から6月頃が花期ということで、よくこの時期まで残っていたと思います。ムラサキ科キュウリ属で日本固有種です。近似の花にコシジタビラコがありますが、果実の三角錐(四面体)の周辺部で見分けられます(ミズタビラコは果実の表面がほぼ平坦)。地域によっては希少な植物です。
【ヒメジソ】
山地を歩いていると、ヒメジソのかわいい花が咲いていました。日当たりのよい道ばたなどに生えるシソ科の一年草で、茎がほぼ無毛で鮮やかな緑色をしていることから、近似のイヌコウジュと区別できます。9月から10月に花期が来ます。小さな花ですが美しさに見とれてしまいました。
【コナギ】
コナギは、ミズアオイ科に分類される一年性の水田雑草です。水面に照らされながら濃紫色に光り輝いています。いつも思うのですが、自然界ではどうしてこんなきれいな色が作れるんだろう、と不思議でなりません。今ではなかなか見ることができない貴重な植物です。
【ホシクサの仲間】
ホシクサは、水田などの浅水中から湿地に生育するホシクサ科ホシクサ属の一年草です。この子の種を同定しようとがんばったのですが、確たる自信が持てませんでした。スミマセ~ン。シラタマホシクサと思うのですが・・・。そうでしたらかなり希少な植物です。
【アキノタムラソウ】
ぽつんと数株だけ湿地にアキノタムラソウが満開で咲いていました。華麗な花が美しく、出会えたことに感謝です。同じ仲間に「ハルノタムラソウ」「ナツノタムラソウ」があるらしく、各季節に姿を見せてくれるそうです。地域によってはなかなか出会うことのできない希少な植物です。
【ニシキギ】
奥深い山へ入ると、ニシキギの姿を見ることができました。ニシキギ科ニシキギ属の落葉低木で、縁起の良い木とされています。花言葉は「あなたの魅力を心に刻む」です。世界三大紅葉樹である「ニシキギ、スズランノキ、ニッサシルバチカ」のひとつで、秋の紅葉が「錦」の織物のようにとても優美であることからこの名が付いたそうです。地域によっては希少な植物です。
【イボクサ】
湿地に入ると、小さなイボクサの花が咲いていました。なんて美しい色合いをしているのでしょう!自然の不思議さに感動です!水田雑草ですが大切な仲間です。
【タコノアシ】
最後は希少なタコノアシの続報です。すっかり茹蛸状態に仕上がっており、多分これで完成です。梅雨時期から追って見てきましたが、愛着満点になりました。後は朽ちていくだけでしょうが、この個性的な姿を記憶に残します!
終わりに
いかがでしたか。
今回もこの季節に生きる新たな仲間たちを紹介することができました。普段の生活ではなかなか気づかないとても小さな存在かもしれませんが、今回の探索も私にとって大きな大きな財産として心に刻まれました。
この瞬間も、人の営みによる環境破壊や気候変動による自然環境の劣化は進んでいます。最後は我々一人ひとりの心のあり方だと思いますが、いかがですか・・・。
自然を大切に!
終わりに
いかがでしたか。
今回もこの季節に生きる新たな仲間たちを紹介することができました。普段の生活ではなかなか気づかないとても小さな存在かもしれませんが、今回の探索も私にとって大きな大きな財産として心に刻まれました。
この瞬間も、人の営みによる環境破壊や気候変動による自然環境の劣化は進んでいます。最後は我々一人ひとりの心のあり方だと思いますが、いかがですか・・・。
自然を大切に!
【ミノムシ】