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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

島々明神線歩道(現在通行止)の整備を行いました。

2024年06月13日
上高地 松下裕之
 こんにちは。上高地アクティブ・レンジャーの松下です。

 みなさん、「島々明神線歩道(徳本峠登山道)」をご存じでしょうか?
 今はバスやタクシーを利用して上高地に入山できますが、釜トンネルが開通する昭和初期までは安曇村の島々集落から島々谷を遡行し徳本峠を越えて上高地に入山していました。その登山道が「島々明神線歩道」です。日本の山々を世界に紹介したウォルター・ウエストンや芥川龍之介、高村光太郎・智恵子夫妻もこの登山道を利用して上高地へ向かいました。
 まさに上高地のクラシックルートですが、急峻な谷間にルートがあり、豪雨等の自然災害で土砂崩落や登山道の侵食が発生して度々通ることができなくなります。その都度、地元の有志や関係機関が協力して復旧作業を行ってきましたが、2020年の群発地震と集中豪雨で壊滅的な被害を受け、現在は通行止めとなっています。
 通行止めとなって以降、関係機関で調査や復旧工事を行い、昨年の復旧状況で通行止め解除に一定の目処が立たったことから、今年度は開通に向けた準備作業として、6月5日に「古道徳本峠道を守る人々」、長野県、松本市、自然公園財団とともに登山道整備を行いました。昨年から1年を経て登山道には新たな倒木や崩壊地が多々あり、整備を行ったものの、まだまだ対応が必要な箇所が確認されました。引き続き関係者と協力して、早期開通に向けて対策を進めていきたいと思います。

歴史のある「島々明神線歩道」。無事に開通して登山者が再び利用できる登山道となることを願ってやみません。

【架橋作業中】


【架橋作業後】


【倒木処理】


【倒木処理中】


【倒木処理後】


【土砂崩落による登山道の侵食】


【土砂崩落による登山道の侵食】


【倒木処理】


【木桟橋の破損】


【落ち葉の撤去】


【土砂崩落】