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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

早春、答志島巡視

2026年03月24日
伊勢志摩国立公園 平賀 綾香
みなさま、こんにちは。
伊勢志摩国立公園管理事務所アクティブレンジャーの平賀です。
 
3/5に答志島(とうしじま)へ巡視に行きました。
巡視(じゅんし)とは簡単にいうとパトロールのことです。自然歩道が崩れていないか、看板が壊れていないか、枝が伸びて景色の邪魔になっていないか、などに目を配りながら歩いて島を巡ります。これもアクティブレンジャーの仕事のうちの1つです。
 
答志島は鳥羽市の4つの有人島のうち、一番大きい島です。
漁業が盛んで、ブランドの「答志島トロさわら」やワカメ、シラスなどが有名です。
今の時期、志摩市のスーパーへ行くと「答志島産」と書かれたワカメやメカブが魚介コーナーで目を引きます!他にも、戦国時代に水軍の武将として活躍した九鬼嘉隆(くきよしたか)の首塚、胴塚などの史跡名所や、鳥羽市の木であるヤマトタチバナの原木があったり、海女小屋があったりと歴史や文化的にも見どころがある島です。
 
(首塚の説明パネル) 
(首が葬られた場所には「大隅大権現」と刻まれた石が立っていた)
 
港に着くと、初めて見る光景が広がっていました。漁港に並んで停泊している船たちが、各々ド派手な旗をつけています。よく見ると旗のデザインが一つ一つ異なっていて、それぞれの船の名前でしょうか、「○○丸」と大きく描かれています。
 
(大漁旗を掲げた漁船たちのお出迎え)

私たちが訪れた日は答志島和具地区で八幡祭という祭りが行われており、そのため旗を掲げていたようです。港町ならではの光景でステキですね。
八幡祭では1年の大量と家内安全を祈願し、弓引き神事や獅子舞が行われるそうです。その弓引き神事の際、墨の奪い合いが行われ、大変盛り上がるのだそう。
(参考:答志島/鳥羽市ホームページ
答志島の町を歩いていると、家の壁に㊇と書かれている光景をよく見ます。これは一年に一度、八幡祭の時に、去年の㊇に重ねて㊇を書き直すそうです。
 
ここからは答志島で見られた植物を一挙紹介します。
【ヤブツバキ】
伊勢志摩に来てからよく目にします。花が丸ごと落ちて散っていく様子が縁起が悪いため(首切りを連想させるため)、お茶の席では避けられがち。
 
 
【キブシ】
黄色い花が垂れ下がって咲きます。果実はお歯黒の原料にされるそうです。
 
 
【タチツボスミレ】
3月に入ってから伊勢志摩の様々な場所でタチツボスミレを見かけます。
スミレは種類が多く、これからどんなスミレに出会えるのか楽しみです。
【ジロボウエンゴサク】
名前の由来がとても面白い植物です。
伊勢地方ではスミレを「太郎坊(たろうぼう)」、本種を「次郎坊(じろうぼう)」と呼んで、草相撲(オオバコ相撲の花バージョンの遊び)をしていたことから、このような名がついたのだそう。今もこの草遊びをしている方はいるのでしょうか…。(ちなみに私は図鑑を読んで初めて知りました。)
 
 
【コウヤボウキ】
伊勢志摩では一般的に見られる植物。花は秋に咲き、果実が残っています。タンポポの綿毛と同じイメージです。ふつうは白い毛なのですが、ピンクの毛のものあり、花が咲いているようでした。
 
 
今の伊勢志摩は非常に少雨でしたが、離島もしっかり春を感じられる植物が顔を出し始めていました。また違う時期に訪れると、見られるものが違っていいかもしれませんね。


<平賀>