アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
市ノ瀬へ通じる道路が冬期通行止め解除!白山国立公園に春が来た♪
2023年05月02日冬期通行止め解除の季節がやってきた
こんにちは。
白山自然保護官事務所の大石です。
白山国立公園へ向かう道路が冬期通行止め解除となる季節になってきました。
白山市白峰から市ノ瀬へアクセスする石川県道白山公園線も、4月28日(金)に白峰~市ノ瀬の区間が冬期通行止め解除※となり、4月29日(土)から市ノ瀬ビジターセンターが 開館しました。
※市ノ瀬~別当出合の区間はまだ通行できません。
白山国立公園の新緑の シーズンが始まりました!
(新緑の六万山と市ノ瀬休憩所)
根倉谷園地のミズバショウ、市ノ瀬園地の様子は…
今年は雪解けが非常に早く、市ノ瀬の手前にある根倉谷園地のミズバショウは残念ながら花はほぼ終わり、現在は緑の葉がすくすく育っている様子を観察できる状態です。
(4月28日の根倉谷園地の様子)
市ノ瀬園地では、キクザキイチゲやタチツボスミレなどが咲き、ニリンソウが咲き始めです。
岩屋俣谷園地の様子
市ノ瀬(標高約830m)から登る岩屋俣谷園地(最高地点1,288m、標高差約450mのトレッキングコース)も季節の進みが昨年より早く、今年はすでに雪を踏まずに一番上の白山パノラマ展望台まで行くことができるようになっていました。
(コース上に残るわずかな雪。避けて歩けるくらい少ないです)
この岩屋俣谷園地の春の楽しみのひとつはイワウチワですが、標高約1,200mのブナ平からパノラマ展望台(標高1,288m)の区間では、もうたくさんの株が花をつけていました。4月28日に巡視に行った際はつぼみの株もたくさんあったので、もう少し楽しめそうです。
(イワウチワ)
(白山パノラマ展望台からの白山。額縁はブナの木です)
下山中、緑の物体がひょっこり地面から顔を出しているのに出会いました。
(地面から顔を出した緑の3兄弟)
皆さん、これは何だと思いますか?
私はこれを見ると、なぜかお地蔵様を思い出してしまいますが、もちろん山のお地蔵様ではありません。
これは「サンカヨウ」という雪の多い地域に育つ植物の芽生えです。
先端のキノコのカサのようにも見える部分は、くしゃくしゃくるりと折りたたまれた葉で、これが広がります。サンカヨウは「山荷葉」と書きますが、荷葉(かよう)はハスの葉を意味しています。広がった葉がハスに似ているから、この名になったそうですよ。
岩屋俣谷園地の東側を回るコースには途中に杉林があり、そこではたくさんのサンカヨウを見ることができます。
このサンカヨウは、例年ならもう少し遅い時期に咲くのですが、市ノ瀬神社の前の株が早くも開花していました。
(開花したサンカヨウ)
白い花はそのままでも可愛いですが、雨に濡れるなど条件が揃うと、半透明のガラス細工のような神秘的な美しさになります。
サンカヨウの季節はこれからです。まだまだ新緑を楽しめる市ノ瀬へぜひ遊びにきてくださいね。
市ノ瀬園地、岩屋俣谷園地のマップ
現地の案内に従って通行するようにお願いいたします。
(市ノ瀬園地マップ)
(岩屋俣谷園地マップ)