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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

白山国立公園 赤兎山で紅葉トレッキング!

2022年10月26日
白山国立公園 大石佳織

皆さま、お久しぶりです。こんにちは。
白山自然保護官事務所の大石です。
 
白山は10月25日に初冠雪となり、ここ最近は事務所がある白山市白峰(標高約500m)も霜の降りる朝があります。
暖房も使うようになって冬の気配を感じていますが、まだ秋です。白山麓に広がる広葉樹林では、 紅葉を楽しめます!
 
今回は10月20日に行った赤兎山の情報をお伝えします。
 
赤兎山(あかうさぎやま)は福井県と石川県にまたがる標高1,628mのとても展望のいい山です。
名前の由来は山の形がウサギに似ているからだそうです。
赤兎山登山は6月中旬から7月上旬頃のニッコウキスゲの咲く頃が人気ですが、秋もおすすめです。

小原登山口(福井県勝山市)からは山頂までコースタイムで登り約1時間30分。
登山口を出発し、ミズナラやブナの木々の間を登っていきます。

見上げれば黄葉したブナ



















登り始めて約40分、分岐のある小原峠に到着します。
峠は十字路になっていて、左(北)方向が大長山(おおちょうさん)、直進(北東)方向は三ツ谷を経て白峰(石川県白山市)の市ノ瀬付近に至ります。右(南)方向が赤兎山への登山道です。

峠から先は急な登りが現れます。
大変ですが、足下だけ見て登らず、ときどき一息入れながら周囲を見渡すことをおすすめします。
天気が良ければ木々の間から大長山や白山の美しい姿が垣間見え、きっと心に力が戻るはず!

振り返ればブナの幹の額縁の中に大長山


















 

白山見えた!白山が見えると嬉しくなってしまいます。

















ただ、歩みを進めるときは足下へ注意を払うことをお忘れなく。
今年の大雨で洗堀の進んだ箇所があり、特に崩れが激しかったところではまき道ができています。
ぬかるみやササの茎や泥で滑りやすい箇所もあるので、要注意です(特に下り!)。 

この日の作業道具を担ぎ&手に持ち、足下に気をつけながら登る染谷保護官


 















 
きつい登りが終わる頃、気づけば周りの木々は背が低くなっています。
大舟山分岐を超えて、もうひと頑張りすると山頂です。
 
赤兎山の山頂付近は雪に強いチシマザサが多く、背の高い木がないため周囲を遮るものがほとんどありません。
このため360°パノラマビューです!

山頂からの白山方向の景色















山頂から避難小屋方向の登山道入り口にある石の上に乗ると、赤兎山避難小屋を見ることができます(背の高い方は石に乗らなくても普通に見えるのかもしれません)。山頂からの景色にこだわりたい方は石の上へ!

白山と反対方向を見れば、福井の山々を見ることができます。 
山頂から鳩ヶ湯方向へほんの少し下ると経ヶ岳は山容がきれいに見えるので、よければのぞいてみてください♪

白山と反対側には経ヶ岳


















 
山頂の先には赤兎山避難小屋や赤池湿原があり、多くの方はそこまで足を伸ばして休憩されます。
山頂から避難小屋方向へ歩き始めると下りが始まりますが、そこからは赤兎平越しに白山や別山、三ノ峰などをすっきりと見渡せるので、いい撮影ポイントだと思います。
避難小屋が山の上にぽつんとある様子がかわいくて私は大好きなので、みなさんにも見て頂きたいです。
ただ、道幅が狭いので、他の方の迷惑にならないように配慮をお願いしますね。

白山、別山、三ノ峰と赤兎山避難小屋

 

















見てほしい場所がたくさんある秋の白山。
皆さま、短い秋を安全に楽しくご堪能ください。
 
◎アクティブ・レンジャーからのお願い◎
この季節、お昼にカップラーメン等の温かいものを食べる方も多いと思いますが、残ったスープは飲み干すか、空のペットボトルなどに入れてお持ち帰りくださいませ。クマなどの動物を誘因したり、植物の生育環境に影響を与えたりすることがありますので、ご協力をお願いします。
 
※小原登山口への林道は7時~17時のみ通行可能です。また、通行の際は、環境保護協力金が必要です。
※小原登山口への林道は、例年11月上旬に冬季通行止めとなります。詳細や最新の情報は勝山市林業振興課にご確認ください。