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アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
足元や目の高さの生き物に注目して歩いてみる
2022年09月07日
志賀高原
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
9月になりました。志賀高原の標高の高い所(横手山、渋峠など)では紅葉が今月下旬から始まります。
そして、標高1,500mにある事務所から見えるスキー場のゲレンデでは草刈りが終わっている所もあります。冬に向けての準備です。この作業をしておくと雪が少ないときでも雪の上に草が出ないので、少しでも早い時期からコースをオープンできるようになります。
さて、国立公園の楽しみ方はいろいろあります。今回は足元や目の高さにある生き物に注目して歩いてみました。
歩いたのは志賀高原の「池めぐりコース」のうち、前山から四十八池湿原の区間です。標高は1,800mから1,900mくらいで、植生は亜高山帯の針葉樹林です。コケの目立つところが道端の所々にあります。
なお、池めぐりコースの大半は特別保護地区という国立公園の中で保護規制が最も厳しい区域です。コケ(蘚苔類)を含む植物の採取・損傷は規制されています。

イワダレゴケ(左)とタチハイゴケ(右)。ともにコケ(蘚苔類)です。この2つはマット状に群落をつくるので、肉眼で認識できます。

ヒカリゴケ(蘚苔類)。写真中央の窪みの中に点々と見えます。窪みの周りのコケは主にミズゴケの仲間。
ヒカリゴケは道沿いの岩の隙間や木の根元などを丹念に覗いていくと見つかります。写真のように小さなまとまりが多いですが、箇所数はいくつかあります。

おそらくセンニンゴケ(地衣類)。スキー場のコースとして使われていた場所の地面の上に1平方メートルくらい広がっています。地衣類は菌類と藻類の共生体です。ピンク色は「子器(しき)」と呼ばれる胞子をつくる器官です。

8月9日に池めぐりコースを歩いた際には、ヒヨドリバナにいろいろな昆虫が集まっていました。チョウはアサギマダラです。

9月5日、標高約1,400mにある一沼ではオオルリボシヤンマが産卵をしていました。水に沈んだ植物の茎に産卵しているようです。右端に少しだけ写っているのはイトトンボの仲間でしょうか。

●新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ご旅行にあたっては、出発前後の健康観察をしていただくようお願いします。また、旅行中も「密」の回避、周りの人と距離を確保できない場面でのマスク着用など、基本的な感染対策をお願いします。
9月になりました。志賀高原の標高の高い所(横手山、渋峠など)では紅葉が今月下旬から始まります。
そして、標高1,500mにある事務所から見えるスキー場のゲレンデでは草刈りが終わっている所もあります。冬に向けての準備です。この作業をしておくと雪が少ないときでも雪の上に草が出ないので、少しでも早い時期からコースをオープンできるようになります。
さて、国立公園の楽しみ方はいろいろあります。今回は足元や目の高さにある生き物に注目して歩いてみました。
歩いたのは志賀高原の「池めぐりコース」のうち、前山から四十八池湿原の区間です。標高は1,800mから1,900mくらいで、植生は亜高山帯の針葉樹林です。コケの目立つところが道端の所々にあります。
なお、池めぐりコースの大半は特別保護地区という国立公園の中で保護規制が最も厳しい区域です。コケ(蘚苔類)を含む植物の採取・損傷は規制されています。
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イワダレゴケ(左)とタチハイゴケ(右)。ともにコケ(蘚苔類)です。この2つはマット状に群落をつくるので、肉眼で認識できます。
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ヒカリゴケ(蘚苔類)。写真中央の窪みの中に点々と見えます。窪みの周りのコケは主にミズゴケの仲間。
ヒカリゴケは道沿いの岩の隙間や木の根元などを丹念に覗いていくと見つかります。写真のように小さなまとまりが多いですが、箇所数はいくつかあります。
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おそらくセンニンゴケ(地衣類)。スキー場のコースとして使われていた場所の地面の上に1平方メートルくらい広がっています。地衣類は菌類と藻類の共生体です。ピンク色は「子器(しき)」と呼ばれる胞子をつくる器官です。
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8月9日に池めぐりコースを歩いた際には、ヒヨドリバナにいろいろな昆虫が集まっていました。チョウはアサギマダラです。
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9月5日、標高約1,400mにある一沼ではオオルリボシヤンマが産卵をしていました。水に沈んだ植物の茎に産卵しているようです。右端に少しだけ写っているのはイトトンボの仲間でしょうか。
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●新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ご旅行にあたっては、出発前後の健康観察をしていただくようお願いします。また、旅行中も「密」の回避、周りの人と距離を確保できない場面でのマスク着用など、基本的な感染対策をお願いします。