中部地方のアイコン

中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

横山展望台周辺の避難について研修会を行いました

2025年10月28日
伊勢志摩国立公園 平賀 綾香
みなさま、こんにちは。
伊勢志摩国立公園管理事務所アクティブレンジャーの平賀です。
 
最近、ぐっと冷え込んで急に寒くなりましたね。
冬が近づいたように感じますが、志摩ではセイタカアワダチソウやキンモクセイが見頃を迎えており、まだまだ秋の自然が楽しめます。横山でのどんぐり拾いが目白押しですよ。
 
さて、話は変わりますが、先日志摩市防災危機管理課の担当者を講師に迎え、当事務所が管理する横山展望台周辺の避難について関係者が考える研修会が開催され、私も参加してまいりました。その様子を少し、みなさまにご紹介します。
 
この研修会は、南海トラフ地震の発生確率が高まる中、被害が想定される三重県南部に位置する横山展望台を利用いただくみなさまの安全を確保し、発生時にどのような行動を取るのか確認を目的として、当事務所が志摩市や横山ビジターセンター、横山休憩所のカフェの方々にお声掛けして開催したものです。
 
冒頭に防災についての自己チェックシートを記入しました。日頃、どれだけ自分が防災について意識できているかを確認します。私のチェック結果は中級。私も志摩市に引っ越してきてそろそろ2か月が経ちます。備蓄については引っ越し当初から用意しなければ…と感じていましたが、まだ準備できていません。今週末に買いに行くことを密かに決意しました。


(このような資料の他、映像も見ながら学びました。)

その他、能登半島地震から学ぶ事例や南海トラフ地震についてお話をききました。能登半島は「半島」という地形上、アクセスが悪く、救助や物資の運搬が難航したとのことですが、志摩市も「志摩半島」という似たような地形のため他人事ではありません。南海トラフ地震は被災の範囲も広いと予想されていますし、救助にたよるばかりではなく、その場に居合わせた人同士で協力し合って乗り越える大切さを再認識しました。

横山展望台周辺の避難についてのお話では、課題をたくさんいただきました。
志摩市の横山展望台は年間39万人訪れる人気スポットです。そして、私たち伊勢志摩国立公園のアクティブレンジャーは地震が起きたら、まず自身の安全を確保した後、横山展望台の状況確認と利用者のみなさまの安全確保に向かいます。
みなさんは旅行先で地震が起きたらどうしますか?
津波が来る地域なのか?避難先はどこなのか?家に帰れるのか?
事前に家族と備えられていればベストに違いないですが、なかなか考えられていないことが多いのではないでしょうか。
横山は203mと志摩市では高い標高になりますので(志摩市で1番高い!)、津波の心配はされていませんが、土砂災害警戒区域に入っています。また、展望台への車道が狭く、すれ違うことができない箇所もあるので、立ち往生などしてしまえば全ての車が通行不能になってしまいます。そのようにまだまだ課題だらけですが、一つひとつ解決していき、観光客も地元の方も安心・安全に楽しめる横山展望台を目指していきます。


(みなさんのご自宅周辺の避難について考えてみてもよいですね。)


伊勢志摩国立公園管理事務所 AR平賀