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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

石ころ干潟観察会を開催しました

2025年11月04日
名古屋 二宮 準子
皆さん、こんにちは。
名古屋自然保護官事務所の二宮です。
久々の晴天。太陽の光が水面に差し込み、キラキラと輝く藤前干潟です。

10月に入り、ようやく秋の気配が感じられるようになりました。
朝晩少し肌寒くなってきたな~と思うこの時期、きまって現れるのが、ジョウビダキ。
稲永ビジターセンターの玄関前ポールに止まり、ヒッ、ヒッと小さな声で鳴いていました。

さて、去る10月19日(日)に中部地方環境事務所主催の「石ころ干潟観察会」を開催しました。
講師の「NPO法人藤前干潟を守る会」戸苅さんより、スケジュールや注意事項等の説明を受け、
いざ、干潟へ!
干潟に入る前には、三つの約束、
・生きものたちと仲良くしよう
・楽しいことは分け合おう
・ケガは自分持ち、気をつけよう
をみんなで唱和し、干潟に向かって一礼、「おじゃまします!」と挨拶して入ります。
藤前エリアの中で今回「石ころ干潟観察会」を実施する場所は、
昭和34年の伊勢湾台風による堤防の残骸が放置され、風化してできた所です。
 
・さぁ、干潟に入る準備はいいかな?   ・三つの約束を唱和しましょう

 
・大きな石を動かすと沢山のカニがわらわらと姿をあらわし、あちこちから歓声があがります

今回のテーマは「カニさんを観察してみよう!」です。センターに戻り、
講師からカニのオスとメスの違いや種類、特徴について説明を聞きながら、
じっくり観察します。カニ以外にも、ヤドカリや魚など、採取した生きものたちを観察します。
大人からも子供からも質問が沢山飛び出して、講師も我々スタッフも大忙しです。
 
・カニの足は何本でしょう        ・頭頂部が特徴的なその名も「トサカギンポ」

今回のような観察会を通して、カニなどの生きものに実際に触れ、
生きものたちの住む場所としての石ころ干潟の重要性を知っていただき、
藤前干潟の保全につなげることができたらいいなと感じました。
 
【ちょこっと、ヤドカリのおはなし!】
・藤前干潟に棲んでいるヤドカリは「ユビナガホンヤドカリ」が多く、
今回の観察会でも見つけることができました。右のハサミが左よりも大きいのが特徴で、
触角はさながら「ムチ」のように長くしなっています。
貝殻を背負っているため見えにくいですが、足は10本あり、2本がハサミ足、4本が歩く足、
残り4本の足(足先がデコボコ)で貝殻を支えています。
左はウミニナの貝殻を背負ったヤドカリ、右はタマキビの貝殻を背負ったヤドカリです。
貝殻が少ないと住宅難となり、ボロボロの貝を背負っていることもあるとか。