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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

満開!ワタスゲとニッコウキスゲ咲く苗場山

2022年07月21日
谷川 増田 多美

皆さま、こんにちは!
梅雨が明けたと思ったのに、ぐずついた天気が続いていますね。
雨の日の巡視は後片付けが大変なので、スカッと晴れた日の巡視が恋しい谷川管理官事務所の増田です。

さて、7月11日(月)にワタスゲとニッコウキスゲが見頃の苗場山の巡視に行きました。
ニッコウキスゲのほか、たくさんのお花が咲いていましたので、ご紹介します!
 
苗場山巡視
ゴゼンタチバナ
苗場山巡視
ウラジロヨウラク
▲左:ゴゼンタチバナ
9,10月頃に可愛らしい赤い実を7個くらいつけますが、まれに10個も実をつけているものもあります。見つけたら良いことがありそうですね!
右:ウラジロヨウラク
名前にある「ウラジロ」は、葉の裏面が少し白みを帯びていることが由来だそうです。ウラジロと名に付く花は多いですが、その名の付く花を目にした際は葉の裏面に注目してみてください☺
 
苗場山巡視
ナナカマドとオオマルハナバチ
苗場山巡視
ミヤマカラマツ
▲左:ナナカマドとオオマルハナバチ
秋は真っ赤に紅葉し、赤い実をつけます。葉が落ちたあとも赤い実をつけたまま冬を越すので、雪の白さと赤い実のコントラストがきれいな落葉樹です。この日は花粉団子を両足につけた働き者のオオマルハナバチがいました❀
右:ミヤマカラマツ
受粉すると白からピンク色になり、実をつけます。花が線香花火に似ていて、夏らしいお花ですね。
苗場山巡視
クルマバツクバネソウ
苗場山巡視
ウスユキソウ
▲左:クルマバツクバネソウ
葉が車輪のように輪生する姿から「クルマバ(車葉)」、花の形が羽子板遊びの羽根「ツクバネ(衝羽根)」に似ていることが名前の由来だそうです。この日見たものは葉が黒く、萼片はまだ緑色の状態でしたが、次第に萼片も黒くなっていきます。少し変わった枯れ方ですね。
右:ウスユキソウ
全体に灰白色の綿毛が生え、薄雪をかぶったように見えることからウスユキソウといいます。ヨーロッパアルプスの名花エーデルワイスはウスユキソウの仲間なんですよ(^^)
苗場山巡視
チングルマ(花)
苗場山巡視
チングルマ(果穂)
▲右:チングルマ(花)左:チングルマ(果穂)
春先の花も綺麗ですが、夏には綿毛、秋には真っ赤に紅葉し、長い期間楽しませてくれる高山植物です。
この日は、苗場山頂の湿地帯では花をつけた個体、山頂より低標高の登山道沿いでは綿毛をつけた個体と、両方を見ることができました~!
苗場山巡視
ニッコウキスゲ
苗場山巡視
ワタスゲ
▲左:ニッコウキスゲ
朝咲いて夕方にはしぼんでしまう一日花です。一つの株に7つほどの蕾をつけ、一日一個ずつ咲いていくので、見頃が一週間程度続きます。この日はたくさんのニッコウキスゲが咲いていましたが、まだまだ蕾のみの株も多くあったので、しばらくはニッコウキスゲの見頃が続くかと思います。
右:ワタスゲ
白くてフワフワの綿毛が、この日は雨で濡れて少しボサボサしていました。ヘアワックスで髪の毛を立たせているヤンチャな子のように見えて、ボサボサのワタスゲも可愛らしかったです。湿原にポワポワと浮かぶ様子はとても幻想的でした。


広大な山頂では高山植物がたくさん咲き、風のない時には池塘水面に青空が映り込む鏡池になり、浅間山や北アルプス、谷川連峰、飯豊連峰などを望むことができる苗場山ですが、登山道の六合目までは粘土質な箇所が多く、滑りやすいので気を付けて登ってくださいね!

また、この日は雷清水の水場が枯れていましたので、登山される方は多めに水分を持って行くことをお勧めします。
苗場山巡視
2020.10の水場
苗場山巡視
2022.7の水場
▲左:2020.10の水場の様子。水が出ています。
 右:2022.7.11の水場の様子。水は出ていませんでした。


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