ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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長野

76件の記事があります。

2006年06月20日八方尾根

長野 アクティブレンジャー 宮西 裕美

八方尾根の現在の状況についてお知らせします。

その前に少し、八方尾根の特徴をご紹介。
*?*?*?*
八方尾根では、本来なら亜高山帯の針葉樹林があるところに高山性の植物を見ることができます。つまり、尾根沿いに登っていると、通常なら標高が上がっていくにつれて植生が『亜高山帯 → 高山帯』と変わっていくところが、『高山帯 → 亜高山帯 → 高山帯』というような、珍しい植生分布になっています。これは八方尾根の地質や地形、気候と関連してこのようになっています。


↑八方池
湖面はまだまだ雪で覆われています。
湖面に白馬三山を映しての写真撮影!は、まだ先のようです

↓このような春の花が咲いていました。

ハルリンドウ

タカネザクラ

ミツバオウレン

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2006年05月29日白馬岳貞逸祭 《開山祭》

長野 アクティブレンジャー 宮西 裕美

27日、白馬岳への玄関口である猿倉にて白馬岳の開山祭である貞逸祭(*)が行われました。
*貞逸祭とは… 白馬三山・五竜岳・唐松岳など白馬村内の山の開山祭。
白馬岳の開山と発展に尽力を注いだ松沢貞逸氏
(1889?1926)の名前にちなんでいます。



白馬岳に向かって、神事がとり行われました。
例年では猿倉周辺にこれほど雪は残っていないとのことで、残雪の多い中 出席者みんなでこれからの夏山シーズンの安全を祈願しました。

神事の後に登山口にてテープカットが行われたあと、白馬大雪渓への記念トレッキングが催されました。

残念ながら私は別件用事にてトレッキングに参加することはできなかったのですが、約150人の方が参加し靴にアイゼンを付けて出発されていました。

トレッキングには参加できなかったのですが、少し登山道を進み周辺をみることができましたのでご紹介します。


猿倉→白馬尻までの登山道
登山道入口からずっと雪がありますので、安全のためアイゼンのご使用をお勧めします。“アイゼン”===“安全”
・・・!




雪解け水が川に流れこみ、水量は増えて勢いづいています。
川の水が薄い青色に色づいており、まさしく“水色”です。

川の上にはまだ雪が残っているところもあり、雪のトンネルになっていました。(写真は歩道から見下ろした川で、離れたところにあります。ここを歩くことは無いです。)
山の中では普通の雪道に見えていても、下に川が流れていることもあります。地図でのルート確認や状況確認をする等して注意してください。こういった場所は雪の層が薄くなっていますので、もしも落ちてしまったら、その下は冷たい水・激しい勢いの川です!


登山道上で大量のブナの実に出会いました。なかなかの大豊作です♪
・・・と、実はここは斜面下なので、斜面を転がってきて溜まったブナの実でした。

最後に、この日見かけたお花です。



ショウジョウバカマ(登山道入口付近)

クロモジ(登山道入口付近)

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2006年05月20日栂池自然園開園祭

長野 アクティブレンジャー 宮西 裕美

本日、白馬乗鞍岳山腹にある栂池自然園の開園祭が行われました。
栂池自然園まではゴンドラ&ロープウェイを乗り継いで上がって行きます。



↑麓でゴンドラに乗ったところから撮影。
林の奥はゲレンデなのですが、すっかり雪が無くなりました。

しかし上にあがると・・・



ロープウェイから栂池自然園へ向かう道が除雪されており、雪の壁ができています。奥に見える赤い○が人です。雪の壁は4?5mあり、例年に比べて2倍とのことです!



この日は天気予報では雨だったのですが、幸いにも開園祭が行われる午前中は晴天に恵まれました。
雪の壁からのぞく青空が雪の白色と映えてとても綺麗です。



そして慎ましやかに開園祭が行われました。
その奥ではスノーシューハイクをしている人たちを見かけました。
自然に対して敬意を払い、神事を行う風習が昔からあり、でも山に入る道具はどんどん進化していて(スノーシューしかり、雨カッパも快適ですよね)なんだか不思議な気持ちになりました。「変わるもの」「変わらないもの」、どう選択していくかは私たちしだいだなぁ、と思ったり。



↑下りのゴンドラにて。(午後は雨になりました)
ガスの中に浮き上がる新緑の緑も美しかったです。



本日記初掲載、後立山連峰(の一部)です。(夕方は晴れました)
山に挨拶しつつ、帰路につきました。

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2006年05月10日遅い春のお便り

長野 アクティブレンジャー 宮西 裕美

5月に入り最近では全国的に夏日の日もあったりしますが、長野市内もだいぶ暖かくなってきました。
私はこの4月から長野市に住んでいるのですが、「長野では冬からいきなり夏になるよ」と言われていたのですが本当にその通りで、先週までは「寒い?」と上着を着ていたのですが、今週に入りいきなり「暑い!」に変わり、街で半袖の人も見かけます。

そんな中、4月後半から植物たちが一斉に芽を出し花をつけ 、とてもにぎやかです。
今回は春の植物のご紹介をしたいと思います。

まずこちら、山でみかける花“福寿草(フクジュソウ)”です。




GWに白馬村にて。
別名“元日草(ガンジツソウ)”とも言います。
旧暦のお正月(2月)頃に咲き始める花で、「福寿」は「幸福」+「長寿」の意味から来ているとてもおめでたい名前のお花です。(でも根と茎には毒があるそうです)
といいますか、そんな福寿草がこの時期に咲いている・・・春の訪れの遅さを感じました。

そして、福寿草と同じく春に咲く黄色の花でみなさんご存じの野の花、タンポポです。


5月10日 長野自然環境事務所のすぐ近くにて。
綿毛が丸々していて、とてもかわいらしいです。

ここでひとつ、タンポポ調査をしてみました。
ご存じの方も多いと思うのですが、タンポポは在来(日本に元々ある)のものと外来(外国から入ってきた)のものがあります。
環境省では“身近ないきもの調査”という事をしており、タンポポはそれで調べる対象になっています。ご興味のある方はこちらへ。

タンポポ検索図 http://www.biodic.go.jp/mijika/tebiki2/9p.html
(2001年のものなので、最新の分類とは多少違いがあるかもですが・・・)

調べた結果、外来タンポポでした。


タンポポ畑になっていました。

遅い春を迎えて一気に暖かくなっていく長野からでした。

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2006年04月20日弱層テスト

長野 アクティブレンジャー 宮西 裕美

後立山の白馬乗鞍岳中腹にある栂池自然園付近に行きました。スキーやスノーボードをされる方はご存じかと思いますが、麓にスキー場があり、ロープーウェイで上まで上がってしばらく歩くと山スキーをする事ができる所です。
今年は大雪で、積雪量はまだまだ多いです。よく「今シーズンの大雪は異常だ」という声を耳にします。暖かくなってきましたけど積雪の多い春山となり、本当にいたるところで雪崩が起きています。
今回“弱層テスト”をしました。
“弱層テスト”とは・・・


このように四角柱を作ります。今回はシャベルを用いたので、シャベルのブレードと同じ幅で作り、高さは大体70?80cmくらいが目安です。(手で作る場合は直径40cmほどの円柱を作ります)

そして奥に手を差し込み、手前に引きます。
やってみましたところ、『ズルッ』と手前にスライドしました。


(雪が見えにくいかな??と思いペンで書きました。)
スライドした層を観察すると、透明のキラキラとした氷の粒の集まり(のように私は見えました)でした。雪の結晶の結合力が弱くなっているそうです。

こういった作業をしている間に、唐松岳の谷でまさに雪崩が起こっているのも見ました!
まだまだ積雪があり山での春スキーを楽しむことができますが、この日記で他のアクティブレンジャーからも春の雪山での注意を呼びかけておりますように、雪崩が起きそうな危険地区には立ち入らないよう、充分にお気を付けて下さい!

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2006年04月10日新任ご挨拶(後立山・菅平ARより)

長野 アクティブレンジャー 宮西 裕美

はじめまして、こんにちは!
この4月からAR(アクティブ レンジャー)になりました宮西裕美です。
後立山(中部山岳国立公園)と菅平(上信越高原国立公園)を担当します。
長野自然環境事務所に勤めます。

出身は関西(奈良)です。
中部地区のAR日記ですが、関西弁がチラホラ出てしまうかと思いますが、ご了承いただけますようお願いいたします・・・っ。

学生時代の頃、夏期休暇の時に上高地で住み込みのアルバイトをしていたことがあり、信州の自然に惚れました。その頃からは時間差があるのですが、これから知っていく・感じていく信州の素敵な自然や情報を発信していきたいと思います。

ご存じの方もいらっしゃると思うのですが、日記の各ARの名前のところをクリックしていただくとARのプロフィールを見ることができます。
(私は気が付かなかったので・・・。ご案内してみました)

それでは、これからどうぞ宜しくお願い致します。


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