アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
高原景観の再生
2022年01月26日中部山岳国立公園管理事務所の関根です。
皆さん"高原"と聞くとどんな景色を想像しますか?
冬の乗鞍高原は、雪で真っ白!
夏は爽やかな風がそよぎ、シラカバやツツジ等の植物と乗鞍岳の景色が広がります。
その乗鞍高原の景色を代表するのが一の瀬です!
ここに居るだけで心地よい。私はここがホントに大好きです!
実は一の瀬は、平成20年代前半まで放牧が行われていました。
放牧や人々の営みによって作られてきた高原景観が国立公園に指定されたひとつの理由でもあります。
しかしながら、牛がいなくなった一の瀬は草木が茂り、高原景観が変わりつつあります。
放っておけば先駆植物であるシラカバがたくさん生え、徐々に他の樹木に生え替わり鬱蒼とした森に変わります。
この移り変わりも一つの自然ですが、国立公園としての景色、人の手が入った自然を利用する動植物の住処、地域の方の心の原風景、トレッキングや写真撮影、マウンテンバイク利用の場として等、沢山のことを地域で議論して一の瀬の景観維持を行っています。
一の瀬の景観を維持していくことは、地域ビジョンである「のりくら高原ミライズ」でも定めており、地域関係者みんなの目標です。
そして、広大な一の瀬を効率的に管理するために、地域の皆さんと一の瀬のゾーニングを行い3年サイクルの管理計画も作りました。
今年度は3年サイクルをスタートさせた年でもありました!
先日、地域の皆さんと振り返りや来年度に向けての話し合いを行いました。
来年度の景観維持作業の場所を確認し、他にももっと取り組めることを話し合いました。
今後はさらに伐採木の活用をしたり、作業自体を地域外の方と連携して行ったり、さらには乗鞍のファンや仲間をつくっていきたいと考えています。
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