アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
立山代替歩道
2021年08月26日こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の平松です。
8月11日に代替歩道の状態確認と整備に行ってきたので、今回はそのときの様子をお話しします。
代替歩道は、正式には地獄谷代替歩道と言い、下図のように室堂から雷鳥沢に通じています。この道は、現在ある室堂から雷鳥沢への登山道が地獄谷からのガス濃度の増加によって通行できなくなったときの代わりのルートとして、環境省が2015年に整備しました。名称は代替歩道ですが、道は整備されているので利用可能です。ただし、ルート上に雪が残っていることも多く、今年は8月上旬から利用できるようになりました。
<室堂周辺と代替歩道>
ルートの大部分は道がわかりやすく歩きやすいのですが、一部区間は道がウラジロタデに覆われて分かりにくくなっていたため、これらを刈り込みました。また、溝を渡る場所には鋼板を設置しました。
<大部分は見晴らしの良い道> <ウラジロタデに覆われた道の一部>
<ウラジロタデの刈り込み> <溝を渡る場所に鋼板を設置>
このルートを歩いていて面白いと思ったのは、他の場所ではすでに咲き終わっているチングルマやシナノキンバイなどが、ここではまだ咲いていたことです。雪解け後に芽吹いた植物たちが他の場所よりも遅くに花を咲かせたのでしょう。そんな植物を見ながらの山歩きも楽しいですよ。
<チングルマ(左)やシナノキンバイ(右)など、早くに咲く花がまだ咲いていました>
<タカネヤハズハハコ> <ヨツバシオガマ>
眺めの良さや高山植物など見所のある代替歩道ですが、登山道ですのでスニーカーやサンダルで歩くのは滑りやすく危険です。十分な登山装備で歩いてくださいね。
******************
中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。