アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
黒部峡谷「欅平」とそこへ続く道
2021年08月19日こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の一ノ枝です。
先日、黒部峡谷の欅平へ巡視に行ってきました。
宇奈月駅からトロッコ列車に揺られ黒部峡谷の絶景を楽しみながら、1時間20分で終点の欅平駅に到着です。
<今年は黒部峡谷鉄道開業50周年。今年限定のヘッドマークが付いています。>
<宇奈月駅を出発してすぐの新山彦橋から>
夏は、窓無しの普通客車は風が通り抜け心地よいです。盆を過ぎて平地でも秋の気配が感じられる時期になるとトロッコ内は寒いくらいですので、風よけとなる上着を準備されることをおすすめします。
欅平駅を出てすぐ前の広場に建っているのが欅平ビジターセンターです。
ここで、周辺の観光情報、登山情報、自然情報などを収集することができますので、まずは一度立ち寄りたい場所です。
駅のすぐ下を流れる川が黒部川です。階段を下りきると河原展望台です。足湯もあります。
<足湯9:00~15:00 ※協力金箱を設置しています。ご協力をお願い致します。>
河原へ行けるかは、その日の川の水量によって開閉を決めています。また、猿飛峡へは落石の危険があるため昨年に引き続き今年も行くことができません。
欅平駅からビジターセンター横に上に登る道があります。そこは、パノラマ展望台へと向かう登山道になっています。急峻な道を1時間程登っていきますので、観光客の方は相応体力に自信がある方向けです。
<パノラマ展望台。この日は雲が多くあまり眺望はないが心地よい風が吹いていた>
欅平から約1時間の祖母谷温泉まで向かいました。
<奥鐘橋からの黒部川>
<名剣温泉先から遠くに見えるのが唐松岳方面>
<トンネルを歩いていくと異空間へ誘われている感覚に>
祖母谷温泉到着です。
<左の建物が祖母谷温泉。下に流れるのが祖母谷川>
<祖母谷地獄。祖母谷、名剣、猿飛山荘、足湯の源泉はここから引っぱっている>
祖母谷温泉小屋のご主人にお話をお伺いしました。
祖母谷から先は白馬岳と唐松岳へ向かう主要な登山道が2つあり、毎年、草刈りや補修を山小屋関係の皆さんが担っていますが、高齢化など年々厳しくなってきているという状況とのことでした。祖母谷温泉の標高が770m、白馬岳(2932m)、唐松岳(2695m)ですから、高低差を見てもかなりの健脚向けのコースであることは間違いないですが、主要な後立山連峰へと続く道を絶やしてはならないとお話を伺い感じました。
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