アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
乗鞍岳畳平周辺の巡視とライチョウ
2021年07月14日こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。
例年より遅く梅雨入りした中部山岳国立公園一帯ですが、いよいよ本格的に始まるグリーンシーズンを前に乗鞍岳畳平周辺の巡視に行ってきました。
また丁度、環境省が協力する「日本アルプス ライチョウ観察ガイドツアー」の為のガイド研修会も行われていましたので合わせてご紹介したいと思います。
6月21日と22日は好天に恵まれ、残雪、新緑、青空と雲、の素晴らしいコントラストの景色が広がっていました。
<白と緑、そして青のコントラスト>
今期乗鞍岳にアプローチするバスは、長野県側のエコーラインが7月1日から、岐阜県側のスカイラインが7月22日からです。
岐阜県側からの乗鞍スカイラインは昨年7月の豪雨で道路の一部が崩壊してしまい通行止めが続いていましたが、工事関係の皆様の懸命な努力で予定より早い開通を迎えることができそうです!
<今はまだ静かな畳平>
今回は、現状で長野県側から乗鞍大雪渓まで入り、大雪渓を登り肩の小屋経由で畳平まで入山しました。
今日一泊お世話になる畳平の白雲荘では、「日本アルプス ライチョウ観察ガイドツアー」の為の研修会が行われており、山岳ガイドさん達が研修に励んでいらっしゃいました。私も研修会に同行させて頂き、中部山岳国立公園のシンボルの一つライチョウについてたくさん学ぶことができました。講師のお一人は白雲荘の小林支配人で、長年畳平に勤務されている経験に裏付けされた貴重なお話は、ツアーさながら研修者全員を惹きつけるとても魅力的なものでした。
<熱心に研修を受ける山岳ガイドさんたち>
研修に参加された方々は、地元長野県の山のプロ集団、ガイドさん達です。
バスでアプローチ可能な畳平ですが、そこは標高2000mを越えた北アルプスです。
そこからライチョウ観察に向かうエリアは完全な登山領域で、一般の旅行とは一線を画すのです。その意味でも山岳ガイドさんにライチョウ観察に連れて行ってもらえると安心ですね。
<夜も研修は続きます>
2日目はライチョウの行動に合わせて、なんと朝4:30に集合して出発です。
<写真の真ん中に居ますよ!>
この時期のライチョウは卵胞の時期に入っており、雌が卵を温めている間は雄が見張り役として外敵に備えます。
ライチョウは保護色で身を守ることで知られていますが、慣れていないと本当に探すのが難しいです。「あ、ライチョウだ!」と誰かが言ったとき周りの人は「どこ?どこ?」となかなか見つけられないでいることもよくありますね。
ライチョウ研修の後は、畳平バスターミナルの南側に広がるお花畑を散策できる木道を巡視しました。昨年は、落石で一部の木道が破損し通行止めを余儀なくされましたが、畳平のお花畑は高山植物が群生する素敵な場所です。
<整備された木道の確認>
丁度、ミヤマキンバイなどが咲き始めていて高山の風景に癒やされました。
木道やお花畑の情報は下記のURLから確認できます。
○飛騨高山乗鞍岳 乗鞍スカイライン
https://norikuradake.jp/ohanabatake/
大雪渓を下山しましたが、最後にもう一度ライチョウに出会えました。
大雪渓を通過する登山者やスキーヤーを見守っているようにも見えました!
昨年、環境省では一般社団法人 日本アルプスガイドセンターと共同で「ライチョウ観察ルールハンドブック」を作成しました。
下記URLから閲覧できますので是非お目通し下さい。
https://thejapanalps.com/ptarmigan
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