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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

アカガエル調査

2021年02月08日
伊勢志摩国立公園

 伊勢志摩国立公園パークボランティア連絡会では、公園内の自然に関わる調査を実施しています。

 ここ数年来、1月~3月頃には「モニタリングサイト1000里地調査アカガエル調査」を行っています。

 アカガエルの生息には、わき水が流れ込み、冬でも水が涸れることのない田んぼ、カエルの移動を遮ることのない土水路、夏でも気温や湿度が安定した十分な広さの森林というように、水辺と森の環境が連続して存在することが必要です。このため、アカガエル類の生息状況を長期的にモリタリングすることで、水辺や森のそれぞれの広さや連続性を評価することができるそうです。

 今期の調査は1月21日(木)にスタートしました。調査地区は創造の森横山の「しょうぶ園」「ビオトープ」「めだかの学校」の3地区です。各地区で水温、水位を計測し、その後アカガエルの卵塊の個数を数えます。この日は気温が低く、水たまりには氷が残っている状態でした。水温は約2~7度、水位は約3~10㎝、この日はアカガエルの卵塊を見つけることはできませんでした。しかし、ビオトープの梅が開花していたり、メジロが頻繁に木々を行き来していたりと調査の中で春のきざしを感じる機会となりました。

 

<しょうぶ園>            <ビオトープ>

 

<めだかの学校>

 調査はおおむね一週間ごとに行いますので、次の調査は1月28日(木)でした。この日の天気は、今にも雨が降りそうなどんよりとした空、ほとんど風のない日でした。卵塊数を数える際に、重複して数えないように、木の枝に日付をつけた旗を作成し、その旗で卵塊をとめていくのですが、前回が「0」だったので、「40本ほどで十分」と思い用意して調査に臨んだところ、予想を大幅に越える「118」もの卵塊がありました!「一週間の間にこんなに増えるなんて・・・」とあまりの多さにびっくりしてしまいました。長年、中心になってこの調査をしているパークボランティアの方が「雨がふって、暖かい日が続いていたから、きっとたくさん産んでいると思っていたわ。」と話されていました。

 

<アカガエルの卵塊>

 横山で確認できるアカガエルの卵塊は2種類、1つは「ニホンアカガエル」、もう一つは「ヤマアカガエル」です。見た目はほぼ同じような卵塊ですが、卵塊を持ち上げ、崩れなければニホンアカガエル、崩れてしまうものはヤマアカガエルです。見つけた卵塊ひとかたまりずつ、手ですくって判別します。それぞれの場所で産卵するのにお気に入りのところがあり、どうしてこの場所に卵塊が固まっているのだろうと不思議に思いました。

 3回目の調査は2月5日(金)。「あたたかくなる」との天気予報だったので、100本の旗を用意し、調査に臨んだところ・・・なんと「172」。今回も予想を大幅に越え、旗作りもしながら調査を続けました。今回、調査範囲の外にある田んぼにも20もの卵塊があったので、ビオトープに避難させ様子をみることにしました。

<一かたまりずつ確認>

 「ときには、400もの卵塊があったりするのよ。」「今はピークかもしれないね。」とのパークボランティアさんの言葉に、次の調査のときは、少なくとも150の旗を準備して臨みたいと思いました。また、卵塊の中の一つ一つの卵の様子が変化している(卵をとりまく液体が以前より濁り、黒の丸い粒の形が楕円に変わってきました。)ので、それを観察するのが楽しみです。

 調査は3月まで続きます。