アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
アルペンルート営業終了。室堂平仮設野営指定地の状況
2020年12月08日こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の一ノ枝です。
11月30日で立山黒部アルペンルートの営業が終了しました。
<11/29 室堂ターミナルから雄山方面>
室堂平では山小屋が営業終了後の11月25日~11月30日の間、仮設野営指定地を設置しました。
<11/28 仮設野営指定地>
11月末に1日に60cm程積もる雪が降ったことで室堂周辺もかなり植生が隠れて白くなってきました。最終の土日の28,29日には、テントが50張を越える数の利用者が見受けられました。
<11/29 仮設野営指定地>
多くの人は今シーズン初のスキー・ボードを楽しみに求めてこられている方々のようです。
<スキーヤー・ボーダーが山へ向かう様子>
この時期に室堂平周辺を利用するにあたっては、利用ルールが定められています。
ルールについては、佐藤ARの投稿をご覧ください。
日頃から、中部山岳国立公園の適切な利用にご協力いただきありがとうございます。
仮設野営指定地は、極力植生のダメージが少ない場所を選び決められています。トイレについては、室堂ターミナルのトイレ(24時間使用可。ターミナルまでは直線で200m程)を使用するか携帯トイレの使用をお願いしております。
<室堂ターミナルにて販売しています。1個300円>
<ゴミ箱は、室堂ターミナルに設置されています。緑色が携帯トイレ用>
<11/29 仮設野営指定地から奥に見える建物が室堂ターミナル >
僕の担当が土日だったため、利用者が多い日に巡視をしましたが、屎尿が散見されました。
<中には、大のほうも、、、>
自然保護の観点からもそうですが、次の利用者が見た際にこの場所にテントを張りたいと思うでしょうか。
みんなが、気持ちよく利用するためにも、自然や次の人のことを考えてお互い思いやりの気持ちを心がけて行動をして欲しいと思います。
また、スキーで滑走をする際には植生がまだ出ている箇所は、踏んでしまうとダメージを与えてしまうため、植生を避けての滑走をお願いしております。
<こちらは、地獄谷立入り禁止区域の看板>
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植生が見えている箇所での滑走跡、踏み跡が見受けられました。
<植生上の踏み跡>
<ガンコウランの上の踏み跡>
ほとんどの利用者の方は適切なマナーをもって、この自然を楽しんでいると思いますが、こういった現状もあることを知ってもらいたいということで、今回書かせていただきました。
はるばる、アルペンルートに乗って、雄大な立山の自然を求めて来ていただけているので、皆さんに気持ちよく利用していただき、
「立山来て良かったなあ~楽しかったな~」
と思って帰っていただきたいです。
<自然が織りなす造形美>
昨今では、「SDGs(エスディージーズ)」という言葉が頻繁に出てくるようになりました。
その体験が、後世にも続くように、自分たちができることを心がけていきたいです。
僕自身も、アクティブレンジャーとして、いち個人として何ができるのかを改めて見直して小さなことからアクションしていければと思います。
立山黒部アルペンルートや黒部峡谷鉄道(トロッコ列車)も11月30日で営業を終了しました。山での現場業務は来春までお休みです。
今シーズンは、激動の年となりました。それでも変わらずにある立山の自然に感謝をしつつ、コロナが落ち着いて来年は多くの方が立山に来てもらえることを願っています。
<ミクリガ池と雄山(立山)>
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