アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
荒倉山と鬼女紅葉伝説を訪ねて
2020年11月18日10月30日 子どもたちに自分たちの地元である妙高戸隠連山国立公園への理解をより深めてもらうために環境省が行っている「子ども農山漁村体験プロジェクト」の活動の一環として、今年は戸隠小学校5年生15人の子どもたちが鬼女紅葉伝説の旧跡を巡りました。
<荒倉山周辺には鬼女紅葉の伝説が残っています>
戸隠や鬼無里に伝わる鬼女紅葉伝説とは、平安時代に絶世の美女であった呉葉(くれは)という女性が京の都から罪人として戸隠に流され、鬼女紅葉(きじょもみじ)と化して荒倉山の岩屋に棲みながら村を襲うなど悪行を働き、それを平維茂(たいらのこれもち)が退治するという物語です。今、巷では「鬼滅の刃」ブームですが、戸隠には実際に鬼がいたのですよ。
平維茂が紅葉の居場所を探すのに矢を放って方角を占ったそうです。現在はその矢を放った場所が「矢本神社」、そして谷を挟んで2kmほど先にある矢の落ちた場所が「矢先神社(柵(しがらみ)神社)」になっています。矢本神社では宮司さんがいろいろ解説してくださいました。宮司さんは建築士でもあり、最近建て替えられた戸隠神社中社の大鳥居の設計をされた方と聞いてびっくり。
長~い階段を上ってたどり着いたのは矢先神社。ここは無人で趣のある神社でしたね。 あとは紅葉の墓と言われる「鬼の塚」、紅葉とその仲間たちが隠れ棲んだといわれる「鬼の岩屋」、荒倉キャンプ場にある能舞台などを見学。毎年ここで謡曲「紅葉狩り」が演じられるそうです。秋の紅葉(こうよう)を愛でることを「紅葉狩り」と言いますが、語源は平維茂が鬼女紅葉を狩るところからきているという説も。
<荒倉キャンプ場内にある能舞台>
そしてお昼は荒倉キャンプ場にて自分たちで火を起こしてカレー。
「子ども農山漁村体験プロジェクト」では2月にも6年生の子たちと鏡池にクロカンスキーで行くスノーハイクが予定されています。