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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

南伊勢町押渕の夜の昆虫調査

2020年09月17日
伊勢志摩国立公園

 伊勢志摩国立公園パークボランティア連絡会では、伊勢志摩国立公園内の自然に関わる調査を定期的に実施しています。

 8月9日(日)に、南伊勢町押渕において昆虫調査を行いました。今回の調査の対象は主に夜行性の蛾ですので、日没から夜にかけての調査になりました。

 場所は、押渕コミュニティ・センター前の広場をお借りしました。日没前に、夜間用のトラップを設置しました。トラップは白い布をかけた衝立を地面に固定し、虫が集まりやすい電灯をつけたものです。

<夜間用トラップ>

 日没までは、風が少し吹いていたこともあり、虫が集まって来ることはありませんでした。そこで、近くのクヌギ林に仕掛けてあったトラップを見たり、昆虫を探したりしました。このクヌギ林では、日没までにカナブン、ノコギリクワガタ、クチキコオロギ、コクワガタ、コガネムシの仲間、コガタススメバチ、ミヤマトンボなどを採集することができました。

 昆虫調査を実施することを聞いて、地域の方が10人ほど見に来られました。

 日没になると、小さいドロムシやゲンゴロウ・ガムシが集まり始めました。コガネムシやバッタ、ハサミムシなどもやってきて、子供たちは喜んでそれらを捕っていました。20時半頃には、パークボランティアの中山惇さんから地域の方に、クヌギ林で採集した昆虫や夜間用トラップで採集した昆虫について解説をして頂きました。

 

       

 「今回の夜間用トラップには水生昆虫(ドロムシ・ガムシ・ゲンゴロウ)が多く集まってきました。この地区では夜間の照明が街灯しかなく暗いので灯りに集まる習性の昆虫が沢山残っているのだと考えられます。近頃はどこでも水生昆虫が激減しているので、この自然が豊かな地区は大変に貴重な所です。」と押渕の自然について解説して頂いたことが印象深く残っています。

 夜も更けてきたので、地域の方には帰っていただき、21時半まで調査を続けました。

 今回の調査の主な対象である夜行性の蛾は20時以降からたくさん飛んできました。わりと小さな蛾が多かったです。シロスジキノコヨトウ(ヤガ科)・ビロウドスズメ(スズメガ科)・スジベニコケガ・アカハラゴマダラヒトリ・ヨツボシホソバ・クビワウスグロホソバ(ヒトリガ科)・トサカフトメイガ(メイガ科)・ナシイラガ(イラガ科)などが採集できました。

 採集した昆虫は、中山さんが、標本にしてまとめてくださいました。

 調査を見に来られた地域の方にも、今回の調査結果についてまとめたものを見ていただく機会を設けられたらと考えています。