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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

草原を増やす取り組み

2020年09月16日
万座 飯島久美子

長野県の自然の特徴の一つは草原が多いことです。

長野県上田市と須坂市にまたがる菅平高原も草原が多く、

その多くは牧場やスキー場など、人間の暮らしと密接に関わっています。

↑ 広い牧場に牛がゆったりと放牧されています。

そんな菅平地域に位置する根子岳(標高2,207m)の登山道には、

多くの高山植物が咲き乱れます♪

↑ ツリガネニンジン               根子岳登山道にて撮影R2.9.10

種が遠くまで運ばれないため、

草原にこの花が咲いていると昔から同じような環境であったと推測できます。

↑ ノハラアザミ  たくさん咲いていました。

花真っ盛りの時期はすぎていますが、花と種子を同時に観察できてお得感があります。

他にもリンドウや、アキノキリンソウ、ウメバチソウ、ワレモコウ、マツムシソウ等も花をつけていました。

そんな菅平では貴重な草原を維持し、高山植物の保護増殖のために

上田市や、菅平の自然を愛する方々により毎年ササ刈りが行われています。

↑ ササ刈り箇所の植物調査の様子

ササが増殖したり樹木の成長などで草原が減少すると、高山植物が生える場所がなくなってしまいます。

ササ刈りを行うと、高山植物が増えることがわかっており、

写真の植物調査の際にもササ刈りを行った場所からは、幼木や、高山植物の開花が観察できました。

↑ ササ刈り箇所で発見したリンドウ

実際に山を歩きながらそこから見える景色や生えている植物をよく観察すると

人間の生活や、環境の変化に草原環境は大きく影響を受けていることを実感します。