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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

新穂高温泉から槍ヶ岳登山道巡視

2020年09月14日
中部山岳国立公園

こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。

岐阜県側の北アルプス玄関口、新穂高温泉から槍ヶ岳を目指して巡視してきました。

槍ヶ岳を目指すルートは東西南北あり(※北鎌尾根は登山道ではありません)、北アルプスの交差点とも言われますが、今回は新穂高温泉より左俣から鏡平、双六岳、そして西鎌尾根で槍ヶ岳、下山は右俣で飛騨沢沿いに槍平、そして新穂高温泉とグルッと一周ルートです。

出発地の新穂高温泉登山口に立てば、荒々しい錫杖の岩場から笠ヶ岳、そして弓折岳から抜戸岳の稜線が壁のようにそそり立っており自然の畏怖を感じさせます。

<左俣林道から小池新道へ>

左俣林道は7月の大雨や群発地震の影響もすっかり整備され快適な林道でした。

わさび平小屋で小休止して小池新道に入ると整備された登山道で歩きやすく、石の積み

方や雨水の逃がし方など様々な工夫がされた道に驚かされます。

<歩きやすく工夫された小池新道>

初日は、双六小屋までの計画でしたが、夏山の特徴である午後の積乱雲発達による強雨に遭い鏡平山荘泊まりとしました。

翌日は雨もすっかり上がり、早朝から好天が約束されたような青空が広がりました。

鏡平からは、これから歩く西鎌尾根が槍ヶ岳まではっきりと分かり、穂高岳に続く稜線が屏風のように見えます。

<鏡平の向かいに見える槍ヶ岳に続く西鎌尾根>

双六小屋まで快適な尾根歩きで北上し、そこからは今朝まで居た鏡平小屋を右手に見ながら西鎌尾根を辿り槍ヶ岳に向かいます。

北上しているときは富山県側の山々が波打つように望まれ、また西鎌尾根に乗るとシンボルの槍ヶ岳に向かって一直線の稜線に感動します。

<槍ヶ岳への快適な縦走路 西鎌尾根>

最後に千丈沢乗越からの急登をゆっくりと登り終えると槍ヶ岳山荘に飛び出しました。

慎重に穂先を往復しましたが、登山道はしっかりと整備されており、登り降りの道順の整理と梯子の区別、また難所での手足の置き場をサポートするマーキングなど安全に対する山小屋や登山関係者の思いが伝わります。

しかしながら穂先への登山は、両手両足を操りながら登る難度の高い岩場の登り降り、空中に身体を放り出すような梯子の高度感、そして何より3000mの山岳気象状況をしっかりと把握して登山可能かどうかを判断できること、など登山者自身の責任ある行動が重要です。

<険しい槍ヶ岳の穂先>

鏡平も槍ヶ岳でもコロナ禍における登山者への対策は、消毒や検温、山荘内のマスク着用や食事時の人数管理などしっかり徹底されており、街中とは大きく異なる厳しい山岳環境に在りながら登山客を迎え入れる体制は素晴らしいものでした。

<槍の肩にある槍ヶ岳山荘>

最終日は、飛騨乗越より飛騨沢を降り槍平小屋、右俣沢沿いに樹林帯に入り滝谷出合を通り新穂高温泉口に下山しました。

槍平小屋の今期営業は、キャンプ場と売店のみです。

新穂高と槍ヶ岳の中間点に位置するところに山小屋があると安心しますし、なんと言っても登山道状況や気象状況を確認できることは本当に心強いです。

私たちも7月の豪雨影響があった右俣での注意箇所、復旧状態など詳しくお聴きすることができました。

<滝谷出合付近の迂回路(新穂高方面)>

一番の注意箇所は滝谷出合いで、従来の登山道から迂回路及びマーキングが大きく変わっていました。

山小屋関係者によって安全に、そして分かり易く迂回路が示されていました。

今回の左俣から右俣への登山道の周回ルートは、概ね安全に通行可能でした。

登山道は山小屋はじめ、登山関係者によって登山者が安全に通行できるよう様々な工夫

がされていました。

但しその事は、決して安全な登山を保証するものではありません。

登山者自身がしっかりと登山の備えや判断をもって安全登山を実践し、登山を楽しむ姿を見せることが登山の安全管理に関わる人たちを笑顔にするのだと思います。

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