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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

芳ヶ平湿地群

2020年08月18日
万座 飯島久美子

上信越高原国立公園には草津白根山の影響を大きく受けた芳ヶ平湿地群があり、

ラムサール条約の条約湿地にもなっています。

今回着任後、初めて芳ヶ平湿原の見回りに行きましたのでご紹介したいと思います。

↓赤色の点線の中がラムサール条約湿地の芳ヶ平湿地群です。


※環境省HPより

↓芳ヶ平の全体の様子

                                  R2.7.9撮影

湿地に近づいてみると池塘(ちとう)と呼ばれる小さな池が点在しており、

巡視時の8月7日にはモウセンゴケをたくさん観察できました。

                          

⇑モウセンゴケ(写真左 赤いマルの中)とモウセンゴケの花(写真右) 

葉の先端には粘液があり触るとべとべとします。

初夏の芳ヶ平は一面のワタスゲも見ることができます。 

          

⇑ ワタスゲ 

※写真は2年前の7月上旬の巡視で撮影したものです。


⇑ 平兵衛池                             R2.7.9撮影

芳ヶ平を過ぎてしばらく下ると平兵衛池にでます。大池、水池と静かな美しい池が続きます。

今年は長梅雨の影響で池の水位が高く、池周辺の植物は少なめでした。

本日の最終到達地点はチャツボミゴケ公園です。鮮やかな緑色が印象的なコケが一面に広がります。

草津白根山系からの強酸性の鉱泉に育まれ、東アジア最大級の群生地となっています。

⇑ チャツボミゴケ

現在のチャツボミゴケ公園はかつて鉱山として多くの鉄鉱石を産出していた場所です。

この場所で採掘されていた鉄鉱石は、「バイオミネラリゼーション」という生物が鉱物を作り出す作用により、チャツボミゴケが長い年月をかけ、生成したものだということもわかっています。

いまでも鉄鉱石の生成が確認されている場所もあります。