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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

東大淀小学校レンジャー出前授業(1回目)

2020年07月28日
伊勢志摩国立公園 小川美代子

 伊勢志摩国立公園管理事務所では、伊勢志摩国立公園の自然について楽しく体験しながら学べる講座「レンジャー出前授業」を行っています。

 7月7日、伊勢市立東大淀小学校でレンジャー出前授業を行いました。

 

 伊勢市立東大淀小学校は、レンジャー出前授業として、4年生を対象に年間を通した「クスノキ学習」を平成30年から3年間継続して行っています。今年も年間4回の学習を予定していました。しかし、1回目の学習は学校が新型コロナウイルス感染予防対策として休校中だったため中止しており、7月7日は待ちに待った1回目の学習でした。

 ここで東大淀小学校の「クスノキ学習」について紹介しておきましょう。

 東大淀小学校の運動場には、大きなクスノキがあり、校舎の高さと変わらないほどの大木に育っています。私も、初めてそのクスノキを見たとき、その大きさと堂々とそびえ立つ姿に感動しました。

 東大淀小学校ではこのクスノキのことを「くすのきさん」と呼び、学校全体で大切にしています。そして、このクスノキにかかわる学習が「クスノキ学習」です。

 4年生では理科の学習でクスノキをとりあげ、1年間(季節)の変化を観察していきます。

 

 7月7日は今のクスノキの様子を観察することが目的でした。

 運動場で観察をしたかったのですが、雨降りだったので、感染症対策として児童同士、また私たちとも十分な間隔がとれるように体育館で行いました。

まずは、国立公園やレンジャーのことについて知ってもらい、東大淀小レンジャーとして活動することの意識付けを行いました。

 次に、体育館の渡り廊下からクスノキ全体の様子を観察し、その後は、体育館に戻って、葉の観察をしました。

 葉の色を観察したり、長さを測ったり、手触りやにおいを確かめたりしました。においをかいだとたん「くさーい!」と口々に言っている児童の様子に思わず笑ってしまいました。ツーンと薬くさいにおいを知っている児童も何人かいて、「葉を折り曲げるとよけいにおいするんやよ。」と私がやりたいことを先んじて言っている児童もいました。クスノキは児童にとって身近な存在です。普段の生活でクスノキの葉のにおいをかいだり、葉を折り曲げたりすることはよくあることなのでしょう。その中で、折り曲げると更ににおいが増すことは経験済みなのでしょう。

 しかし、新たにクスノキの薬くさいにおいに気づいた児童もいました。身近な存在のクスノキですが、クスノキへの関わり方は児童によって様々です。どの児童にとってもクスノキの姿を1年間継続して観察することは、知らなかった新たな一面を知るよい機会になると思いました。

 今回は、クスノキ全体や葉の様子を観察しましたが、季節の変化については観察しませんでした。しかし、4月からの3ヶ月の間にクスノキは確実に変化しています。下の3枚の写真を見ても葉の色が変化していることがわかります。そして、つぼみから花がさき、実が出来はじめているという大きな変化がありました。秋の学習では変化に着目し、実際のクスノキの観察とともに写真などを活用したいと思います。

 

<4月21日 東大淀小クスノキ>

<5月19日 東大淀小クスノキ>

<7月2日 東大淀小クスノキ>