アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
「乗鞍岳外来植物除去ボランティア」
2020年07月08日こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。
7月3日(金)、乗鞍美化の会による毎年恒例の外来植物除去作業が、
乗鞍岳畳平周辺で行われました。
外来植物とは本来その地に生育していなかった植物で、人や車に様々
な形で種が付着して入り込みます。
対して元々生育している植物を在来植物と呼びますが、外来植物は在来
植物に大きな影響を与えることが知られています。
簡単に言うと、外来植物は在来植物の住みかを奪ったり、在来種と混ざり
雑種をつくったりして生態系を変えてしまう事が危惧されます。
それは元々あった自然景観さえも変えてしまうほどです。
ここ乗鞍では、本来の景観を将来にわたって維持保存するため「乗鞍美化
の会」など地元団体のご尽力と呼びかけに応じ集まってくださったボラン
ティアの皆様のご協力で15年もの間この外来植物除去活動が行われています。
今回は、ボランティアの方々を含め約50人で畳平周辺のセイヨウタンポポ
除去作業にあたりました。
環境パトロールの方からセイヨウタンポポの説明や除去の方法、また道具
の使い方などのレクチャーがあり、その後5班に分かれ作業しました。
小さなセイヨウタンポポでも丈夫な根っこがびっくりするほど深く根付いていました。
確実に除去するには、根が地中に残らないよう慎重な作業が求められます。
慣れてくると皆さんの手際も見事なもので、深い深い根を上手に掘り出していました。
セイヨウタンポポの見分け方は、総苞片(花の付け根のガクのようなもの)を見ます。
二ホンタンポポは総苞が閉じていますが、セイヨウタンポポは開いて反り返っています。
<地上に出ている部分の3倍以上の根を上手に掘り出す>
この作業は、8月までにあと3回行われる予定です。
ボランティアも募集していますので興味がある方は下記HPを閲覧ください。
皆さんの作業のおかげで大量のセイヨウタンポポを除去できました。
※注意
国立公園内では外来種の植物であっても許可なく除去することができない場合があり
ますのでご注意ください。
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