アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
南伊勢町押渕の昆虫観察会
2020年07月07日はじめまして。5月から伊勢志摩国立公園のアクティブ・レンジャーに着任した天満です。よろしくお願いします。
横山ビジターセンターでは身近な自然環境への興味を深めて頂くため、定期的に伊勢志摩国立公園内で自然観察会を行っています。
南伊勢町の押渕地区には、わき水の豊かな湿地が広がり希少な植物や昆虫が生息しています。今回は二十四節気の夏至である6月21日に観察会を行いましたが、ちょうど半夏生(はんげしょう)の葉の色が、白く化粧したように変わりはじめていました。雑節(二十四節気を補う季節の移り変わりの目安)の半夏生は旧暦では夏至より10日後とされていますが、その頃に葉の色が変わるのでこの名前がつけられたとも言われています。
参加者はクヌギ林と湿地の2カ所で昆虫を採集し観察しました。クヌギ林では主に甲虫類、湿地ではトンボやバッタなどの昆虫が採集できました。最終的にはカブトムシ、コクワガタ、キマワリ、ニジゴミムシダマシ、クロウリハムシ、キベリゴミムシのなかま、ササキリ、ショウリョウバッタ、ヒシバッタ、シバスズ、カマキリの幼虫、チャバネゴキブリ、ハラビロトンボ、モートンイトトンボなどの昆虫やトノサマガエル、カワニナ、ミズグモなどを採集し、観察することが出来ました。今回の講師である伊勢志摩国立公園パークボランティアの中山さんは、観察会の前に毎日のように現地に足を運んで準備し、当日は参加者に昆虫について楽しく解説して下さいました。
クヌギ林では児童が「カブトムシは樹液に集まってくるんだよ。」と教えてくれました。レンジャーは自然を調べ、記録し、伝える事を大切にしていますが、参加した児童も体験して学んだことを、さらに伝えようとしてくれました。これからも一緒に身近な自然を観察することで自然環境への興味を深めたり、自然保護の大切さを感じてもらえる自然観察会になるよう取り組みたいと思います。
観察したあとは採集した昆虫を自然に戻しました