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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

#STAYHOME 昨年の今頃の立山室堂振り返り

2020年05月22日
立山 佐藤 裕子

今年はほとんど室堂へは行けていないので、昨年の写真で、立山黒部アルペンルート開通前ー5月末までの室堂の様子を振り返りたいと思います。

特に今年は少雪で、里で雪を見る機会はほとんどありませんでしたが、標高2,450mの室堂では6月ー7月まで残雪があります。

アルペンルート開通前、4月上旬の様子。

施設の1階部分が雪で埋もれているので、秋に施設にしまっておいた看板やポールを取り出すため、入口の掘り起こし作業からはじまります。(私はか弱い?ためあまり戦力になりませんが...)

高い濃度の火山ガスが噴出しているため地獄谷は通行禁止にしておりますが、周辺でも谷になっている場所は特にガスが滞留しているおそれがあります。

他の施設の方々がルート上にロープを張ってくれていますが、知らずに谷を滑る方がいるので、補助的に危険区域を示す看板やポールを付けています。

5月はライチョウの繁殖時期で、室堂でも頻繁に見られるようになります。

どこにいるのかはすぐわかります。

これは昨年の写真ですが、みなさんバズーカ砲みたいな重そうなカメラを抱えて

ライチョウに近づきすぎないようソーシャルディスタンス?を守ってくれていますね!

ところで、室堂を歩いていると時々、雪がピンク色に見えることがあります。

"赤雪"と言われる現象だそうです。

はじめは誰かが雪渓上にルートを示すためのベンガラでも撒いたのかな?とか、黄砂かな?とか思っていました。

雪の中に細胞内にアスタキサンチンなどの赤い色素を貯め込む微生物が繁殖しているのだそうです。

雪渓の表面が黒く汚れるのも、土壌や空気中の汚れが堆積したものだと思っていましたが、

汚れだけではなく微生物も含まれており、繁殖することで徐々に黒くなり、

色がつくことで太陽光の反射率を下げ、雪解けを促進するのだそうです。

雪が緑になることもあるのだとか...見てみたい!

≪セッケイカワゲラモドキの仲間≫

太陽をコンパスにして生まれた川の上流方向を目指して歩く不思議な虫です。

触ると人間の体温に耐えられず動けなくなってしまいます。

また室堂に行ける日が来たらぜひ注目してみてください。

現在、立山黒部アルペンルートは新型コロナウイルス感染拡大防止のため運行休止しております。

今は写真でお楽しみください。

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中部山岳国立公園では、コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、都道府県をまたいでの不要不急の来訪や、感染リスクが高まるような行動の自粛をお願いしています。お出かけの前に、各自治体や訪問先が発信している情報をご確認ください。早期収束に向け、みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

 なお、この投稿は「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。