アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
#STAYHOME 雪の大谷とライチョウ
2020年05月08日こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の一ノ枝です。GW期間中はそれぞれのおうちでの過ごし方をされたのではないでしょうか。
通年立山のこの時期は立山黒部アルペンルートが開通し、全国・世界各地からのお客さんで賑わいます。今年は残念ながらその光景を見ることはできませんでした。
そこで今回は、国立公園を写真で楽しんでもらえないかということで、過去のアクティブレンジャーさんがこの時期に撮ったデータを引っぱってきました。ありがたく活用させていただきます!
テーマは「雪の大谷とライチョウ」です。(2017年5月撮影)
○雪の大谷
富山県側からの登山の拠点となるのが室堂平(標高2450m)です。
室堂ターミナルを降りてすぐの道にあるのが「雪の大谷」です。通年雪が多く残る4月中旬~6月にかけて歩いて見ることができます。(※今年は開催中止)
立山室堂平は世界でも有数の豪雪地帯です。
平均で8m程度の積雪があり、
高いところでは約20mにも達する場所もあるそうです!圧巻です!
裏返しでは冬の気象条件の厳しさが推測できるともいえます。
晴れた日ばかりではなく天候が悪いときも当然あります。厳しい自然環境ですので着る服や登山をされる方は装備もしっかりと準備が必要です。
○ライチョウと人との関わり
ライチョウって不思議な鳥です。なぜなら、人を恐れない鳥だからです。
その要因の背景には、
・人里離れた高山に生活拠点があること、
・立山の山岳信仰がある古来からライチョウは「神の使い」として大切にされていたこと、
・江戸時代には加賀藩が捕獲を禁止したこと
などの歴史があったようです。
昭和30年には特別天然記念物に指定されましたが、そのずーーーっと前から長い歳月守られてきたことで現在の人とライチョウの関係があります。これからも人とライチョウの良好な関係を育んでいきたいですね。
ライチョウたちも厳しい冬を越え、室堂平付近にも徐々に姿を表してくれます。
ちなみに、こちらがライチョウのフンです。季節によって排泄物の特徴も変化してくるようです。
春から秋にかけて立山ではライチョウ以外にも多くの鳥を見ることができるのですが、厳冬期も立山(マイホーム)に滞在している鳥は実はライチョウだけだそうです!
<エサを捕食している様子>
つらいですが今は辛抱の時。ライチョウのように私たちもしばしの間、マイホームで過ごしましょう。
立山・黒部周辺の交通機関や各施設も営業を自粛しております。
詳しくは各サイトをご覧ください。山小屋についても多くがお休みしていますので詳しくは各山小屋サイトにてご確認ください。
・黒部ダム
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中部山岳国立公園では、コロナウイルス感染拡大防止の政府方針を受け、当面の利用の自粛をお願いしています。早期収束に向け、みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。
なお、この投稿は「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。
・#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト