アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
#STAYHOME 上高地のニホンザル
2020年05月07日こんにちは。
上高地アクティブレンジャーの松下です。
上高地にサルがいるの?と思われる方も多いと思います。
今日は、上高地のニホンザルについてお話しさせていただきます。
上高地(大正池~横尾)には、4つのニホンザルの群れが暮らしています。
このニホンザルは、極寒の地に住み、高山に登り、水中昆虫を食べ、人間に依存しない独自の生態系を維持しています。
しかしながら、近年、人慣れが進んだことにより人間とニホンザルの距離が近くなり、このままでは、人間を襲って食べ物を奪ったり、自然の中で生きられなくなることが懸念されています。
ニホンザルの「人慣れ」が問題となり始めた頃の新聞記事
(記事提供:市民タイムス2006年9月12日版)
「人慣れ」により人間との距離が近くなりますが、絶対にエサは与えないでください!
建物をかじる等の問題も起こっています。
その対策として、平成18年頃から専門家のご意見をいただき、人間とニホンザルの「適切な距離」を保つために、上高地に関わる人々とともに「巡視」や「追い払い」、「普及啓発活動」を行っています。
巡視:テレメトリー(遠隔計測装置)によりサルの位置を確認する上高地自然公園財団職員
(写真提供:上高地自然公園財団)
追い払い:パチンコやエアガンでニホンザルを威嚇し、ヒトに近寄らないよう学習させます。
(写真提供:上高地自然公園財団)
普及啓発活動:ニホンザルの生態についての解説や、ニホンザルに出会った際の注意点やエサを与えることのないよう案内を行います。(写真提供:上高地自然公園財団)
専門家によると、人間にとってもニホンザルにとってもハッピーな関係を保つためには、このような努力を継続的に根気強く続けていくことが大切だそうです。
ちょっと憎たらしいところもあるサルですが、よくよく見るとかわいい連中です。
家で過ごすことの多いこの機会に、上高地のニホンザルに興味を持っていただき、上高地にお越しの際は、ニホンザルと「適切な距離」を保っていただくほか、「追い払い活動」にご理解いただければ幸いです。
北アルプス山岳地域の山小屋は小屋泊・テント泊ともに営業自粛しております。
5月7日現在、上高地へ至るバスは全便運休、タクシーも運行していません。
地震もまだ続いており、山では雪崩や土砂崩れの危険があります。今は登山に適した環境ではありません。
全国的な外出自粛の観点からも、中部山岳国立公園ならびに上高地地域の利用(散策・登山等)自粛をお願いいたします。
詳しくは、以下のHPをご覧ください。
◆上高地公式サイト
https://www.kamikochi.or.jp/info
それでは、みなさま、いつか来る楽しい日のために一緒に頑張りましょう!!
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中部山岳国立公園では、コロナウイルス感染拡大防止の政府方針を受け、当面の利用の自粛をお願いしています。早期収束に向け、みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。
なお、この投稿は「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。