アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
【報告】藤前干潟サイエンスカフェを実施しました。
2019年12月13日藤前干潟から、こんにちは。
アクティブ・レンジャーの西部です。
先日、藤前干潟ふれあい事業の一環として、稲永ビジターセンターで藤前干潟サイエンスカフェ「ヨコエビ~干潟の小さな生きもの」を実施し、大阪市立自然史博物館外来研究員の有山啓之先生をお迎えして、少し内容の濃いヨコエビについてのお話をお聞きしました。
<講師の有山啓之先生>
<会場の様子>
当日は、サイエンスカフェと言うことで、通常は飲食禁止の館内を会場の会議室のみ限定で飲食可とさせていただき、地元のイオンスタイル名古屋茶屋から提供いただいたドリンクやお菓子を楽しみながら話を聞きました!
また、お菓子はお隣の名古屋市野鳥観察館や当日参加者からも提供があったため、皆さま、いろいろなお菓子を楽しむことが出来たと思います。
先生のお話では、たくさんのヨコエビの写真を用意していただき、美しいカラフルなヨコエビやサイズが30cmを超える大きなヨコエビなど、世界中に本当にたくさんのヨコエビがいることが分かりました。
また、先生から事前に、"淡水性のヨコエビを捕獲していきます"、とお聞きしていましたので、
我々スタッフも頑張って、地元・藤前干潟産のヨコエビを採取して実物をご覧頂けるようにしました。
なんと保護官が松本でヨコエビを採取してきてくれたので、参加者の皆さんには身近なヨコエビをいろいろと見て頂くことが出来ました。
<顕微鏡で展示されたヨコエビを観察する参加者>
<先生から配布された資料を見ながらヨコエビを描く参加者>
とっても上手に描いていますね!未来のヨコエビ研究者、、、かな。
最後に実施したアンケートでも、ヨコエビのお話だけでなく、ヨコエビが実際に展示されており観察できたのが良かった!との声が多く聞かれたので良かったです。
これで、中部地方にはちょっとしたヨコエビ・フィーバーが訪れることでしょう!
さて、今回は、干潟の小さな世界の一端をご紹介するサイエンスカフェにしました。
あまり一般的に知られていないヨコエビをテーマにしたので、参加者が集まるかな?と心配したのですが、
上限いっぱい、30名近くの方にご参加頂くことができました。
ご参加いただきました皆さま、ありがとうございます。
こうした一見すると何の役に立っているのかわからない小さな小さな生きものたち。
けれど、実は、彼らこそが干潟を支える重要な役割を担っているのだということを、
少しでも多くの人たちに気がついてもらい、そしてその存在に注目してくれると嬉しいです。
□□□□□藤前干潟よりプチ情報□□□□□
今回は、ヨコエビのサイエンスカフェにちなんで、ヨコエビってエビなの?
この質問、とーーーっても難しい質問です。
<藤前干潟で採取したヨコエビ>
皆さんがイメージされるエビは、恐らく、エビフライのエビ、、、
いわゆるブラックタイガーなどがあると思います。
甲殻類(こうかくるい)と言われている仲間で、カニなども含まれますね。
この甲殻類、と言う場合には、ヨコエビもこの仲間に入るので、エビと同じ仲間、と言えます。
けれど、詳しく調べてみると、甲殻類の中にもいろいろな仲間に分けることが出来るのです。
ヨコエビは、エビやカニが含まれる「ホンエビ類」とは別の「フクロエビ類」という仲間に入ります。
また、ヨコエビはエビのような形に見えますが、実は体の構造もエビとは違います。
詳しく見ていくと、エビじゃないよ!と言うことになるのです。
エビやカニは、甲殻類の中でもほんの一部分なのですね。
甲殻類の世界もとっても深くてひろーーーいのです!
ぜひ、皆さま、深くて広い甲殻類の世界に飛び込んでみてください!