アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
藤前干潟~夏休み!干潟観察会~
2019年08月20日皆さま、こんにちは。
アクティブレンジャーの山﨑です。
毎日、暑い日が続いております。熱中症などには十分注意して下さい。
今回は、8月17日(土)に藤前活動センターで開催された、夏休み!干潟観察会~干潟の生きもの・漂着物を調べてみよう!~についてご紹介したいと思います。
観察会当日は、台風10号が通り過ぎた後の暑~い1日でした。
センターに集合したスタッフが朝から観察会の準備です。
スタッフの役割分担や参加者の安全面などをしっかり打ち合わせをします。
参加者が集合したら、観察会のスタートです。
今回のテーマは「干潟の生きもの・漂着物を調べてみよう!」ということで、干潟に入る前に各自で漂着物を拾いました。
そして、干潟に入る前に、3つの約束を復唱し、皆で「おじゃまします」と干潟に挨拶をします。
<漂着物を拾う様子> <3つの約束の復唱>
さぁ、干潟にレッツゴー!
予定の30分間があっという間に終わり、今度は皆で「ありがとうございました」と干潟にお礼を言ってから、センターに戻ります。
センターでそれぞれ気になった漂着物を発表してもらいました。全部で15個のうち自然物は2つ、後は人間が出したゴミ、プラスチックやゴム製品でした。
プラスチックはずっとずっと海を漂い続け無くならないこと、小さなマイクロプラスチックになってしまうこと、それが、海の生きもの、小さな魚やプランクトンの体内でも発見されていること、このまま増え続けていいのだろうか、などの問いかけに子どもたちは、「ゴミ拾いをする!」「再利用すればいい!」など、いろいろと真剣に考えてくれました。
それから、生きものの発表です!
ヤマトシジミ、アナジャコ、ゴカイ、エビジャコ、ウロハゼ、などなど、たくさんの生きものが見つかりました。
<この日は、事前に沈めておいた土管から、ウナギが見つかり、皆、大興奮です>
そして、皆が見つけた生きものを1グループずつ、スタッフが詳しく解説してくれます。解説後には皆さんから拍手があがりました!
それから、現在、藤前活動センター2階で開催中の企画展「藤前干潟の物語」の解説を聞きながら館内見学です。
かつては「あゆち潟」と呼ばれていた頃からの藤前干潟の歴史が紹介されています。「あゆち潟」は、万葉集にも詠まれていたそうです。
ここで、まだ自由研究が終わっていないお友達に良いお知らせがあります!
藤前活動センターでは、「自分の住んでいる地域の歴史」「藤前干潟の歴史」「藤前干潟の魅力」などを展示中です。センターに来て、自分なりにまとめてみたら良い研究になると思います。
分からないことがあればセンタースタッフにも聞いて下さいね。 ※月曜日は休館なので注意してね!
台風10号の影響で増水が気になったものの、当日は心配なく無事に干潟に入ることができ、また、いろんな生きものを見つけ、楽しい観察会となりました。
今年もあと数回ですが、観察会はまだありますので、ぜひ、干潟体験に来て下さい。
---藤前干潟の企画展開催中---
< 稲永ビジターセンター >
【 企画展 あなたの知らない藤前干潟 】
ゴミ非常事態宣言が出されて藤前干潟が保全されてから20年。節目の年である今年、改めて藤前干潟の生きものを入り口に、藤前干潟の魅力や、未だに問題となるゴミの問題など、幅広く藤前干潟について展示します。
場 所:稲永ビジターセンター(港区野跡4-11-2)
費 用:無料
問合せ:稲永ビジターセンター TEL:052-389-5821
< 藤前活動センター >
【 企画展 藤前干潟のものがたり~藤前干潟・歴史旅~ 】
藤前干潟は、むかーし昔、どんな姿をしていたのでしょうか。現在の姿になるまでに、どんな歴史を経てきたのか、古い地図などを参照しながら丁寧に紐解いていきます。
場 所:藤前活動センター(港区藤前2-101)
費 用:無料
問合せ:藤前活動センター TEL:052-309-7260
□□□□□□□□□藤前干潟よりプチ情報□□□□□□□□□
夏の渡り鳥、コアジサシの情報です。くちばしから尾まで、大体25cmほどの夏鳥です。
昔は藤前干潟にもたくさん居ましたが、今はもうほとんどいません。時々、飛来するくらいです。
コアジサシは砂利や砂地に巣を作ります。ですが、その繁殖地となる場所の減少に伴い、数が減っています。
今日は、そんなコアジサシの子育てについて紹介します。
<くちばしは黄色く体は白と黒、足は赤っぽい> <卵は砂利や砂浜のような模様です>
羽の下で大事に雛を守っています。孵化してすぐは小さい餌を、そして、成長に合わせて餌は大きくなっていきます。
<親の羽の下に2羽隠れています> <小さいこの雛にぴったりサイズの餌を与えています>
また、餌の魚の骨を砕いて雛に与えるとも言われています。雛たちは、愛情たっぷりで育つのですね!
このコアジサシは絶滅危惧種に指定されています。この小さな命を私たち人間はどのように守っていくことが出来るのでしょうか。
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