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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

子どもパークレンジャー「雪上観察会」

2019年02月27日
谷川 荒井 歩

子どもパークレンジャー事業という環境省主催のふれあい活動があります。

今年度、谷川では初めての子どもパークレンジャー事業として「雪上観察会」を開催しました。

今回は小学校4~6年生が対象です。

出発する前に少しだけ事前学習。そもそもパークレンジャーって何?国立公園って何?

ということについて知ってもらいます。

レンジャーの話を聞きながら、みんな熱心に国立公園パンフレットを読んでいます。

事前学習を終えたらいよいよ観察会へ!会場は谷川岳のお膝元、土合地域です。

土合周辺には2m以上雪が積もっているので、スノーシューを履いて行います。

初めてスノーシューを使う人もいましたが、ガイドさんが丁寧に教えてくれます。

みなさん、準備はバッチリのようです!

それでは、いざ出発!

最初の班はオニグルミの木に行きました。

ガイドさんが「この木には面白い模様があるよ!」ということでさっそく観察開始。

枝を近くで見ると・・・

ありました!ニコッと笑った顔のように見えました。これは葉っぱが落ちた痕「葉痕」の模様です。

人によってはサルに見えたりヒツジに見えたり、中には「ジブリ映画のコダマに似ている!」

という子もいました。あなたには何に見えますか?

こちらの班ではアジサイの花を見つけました。

背の低い植物はみんな雪の下なのにどこから?

正体はツルアジサイの花でした。木の上まで絡みついて花を咲かせるので雪が降った後に、

上から落ちてきて姿を見せてくれます。

今回の観察会は午後に報告会があります。

みんな面白い発見がないかじっくり観察し、写真に収めていきます。

街中にいると見ることの出来ない広い雪原。観察だけでなく、その非日常感も楽しいです。

また、観察は大地の上だけではありません!

「何か飛んでる!」と上を見上げると

遥か空高くにイヌワシ?の影が見えました!私自身も土合地域では初めて見ました。

写真に上手く収められるかな?

この地域の特質的な植物、ユビソヤナギ。時期的には早いですが、ふわふわの花が出始めていました。

2mの雪の上からなので、枝がすぐ近くで見られました。

朽ち木は色々な生き物が利用しています。虫やキツツキの開けた穴がいっぱいあります。

休憩後はルーペを使った雪の観察です。

積もった雪が新雪の時は、結晶がきれいに見えます。

残り時間も半分、張り切っていきましょう!

ブナの木には地衣類という菌の仲間がよくつきます。

一見地味な内容ですが、観察会の中で鍛えられたみんなの目がそれを見逃しませんでした。

なんと、かわいいお化けが隠れていました!ちょっと口がへの字なのがまたなんとも・・・

地衣類にこんな面白さがあることも初めて知ることができました。

同じ木で今度は枝が落ちた痕がハート型になっているのを発見!

そしてもうひとつ、参加者のみんなに教えてもらったものが「枝の影アート」!

日の当たり具合、木の並び具合、枝の伸び方で様々な模様を見せてくれる枝の影はまさしくアート作品!

曲がった枝の下にはつららが張っていました。

そして観察会の最後にはおまちかね、雪のスライダー!

帰ってきてお昼を食べたら、もう一度、国立公園のレクチャー。

あらためて上信越高原国立公園の自然の素晴らしさを実感していただけましたか?

そして、班ごとに今日の観察会で発見したもの印象に残ったものを3つずつ発表してもらいます。

まずはみんなで意見を出し合って

発表することを決めて、写真も選びます。

最後に模造紙の上で内容をまとめて完成!

報告会は保護者の方にも来て頂き、全員の前で発表です。

どの班でも、それぞれの発見だけでなく考察や関連性、そこから自然の大切さをまじえての発表で、

素晴らしい発表でした!

また、3つの班が3つずつ項目を発表したのですが、相談したわけでもないのに全て違う項目での

発表となったことも面白かったです。

ガイドさんからの講評もいただきました。

最後に子どもパークレンジャーのメダル授与式!

みんな今日一日、素晴らしいパークレンジャーでした!おめでとう!

目に映るものをしっかり観察し、発見する視点には、私もたくさんのことを教えてもらいました。

今回の子どもパークレンジャーが開催できて本当に良かったです。

共催していただいたみなかみ町役場の皆様、担当していただいたガイドの皆様、そしてなにより参加してくれたみなさんに感謝いたします!ありがとうございました!