アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
10月8日に市ノ瀬で自然観察会を行いました!
2018年10月19日みなさん、こんにちは。
白山も秋が深まり紅葉の美しい季節がやって来ました!
先日の10月10日に白山白川郷ホワイトロードに行ったのですが、今の時期は紅葉が見頃です。
ホワイトロードは11月頃には閉鎖してしまうので行くなら今のうちですよ!
さて、そんな晩秋の白山の麓で先日の10月8日(月)に環境省主催の自然観察会「市ノ瀬で山の恵みを感じよう」を開催しました!
最近は悪天候が多く、心配だったのですが当日は天候にも恵まれ思い出に残る1日となりました。
今回の日記ではイベント中の様子をご紹介したいと思います!
10:00 開会
参加者は全部で8名。
まず最初に市ノ瀬ビジターセンター1階で国立公園についての話や野外活動での注意点の説明をしました。
皆様真剣にお話しを聞いて下さり嬉しかったです!
10:20 花炭選択&解説
話が終わった後、市ノ瀬野営場に移動し講師の方から花炭についての解説です。
花炭というのは花や木の実などを原型を残したまま炭化させた物です。
インテリアとして使う事が出来、脱臭や除湿効果が期待できます!
その後こちらで用意した花炭素材の中から参加者に好きな物を選んでもらいます。
この素材はクリ、ドングリ、イタヤカエデの葉、オオバコの穂など様々な物を用意しました。
選んでもらった素材はスタッフが花炭にして、参加者に配ります。
皆さん夢中になって選んでいる姿が印象に残りました!
10:45 炭窯ツアー開始
花炭選択後に岩屋俣谷園地での炭窯ツアーを行いました。
また、岩屋俣谷園地には昔の人々が利用していた炭窯跡があり、そこで講師の方の解説を聞きます。
炭窯の作り方や使われ方など非常に気になる面白い内容でした!
また、石川県ガイドボランティアの方に市ノ瀬地区で昔に起こった洪水災害のことや動植物の解説などしていただきました。
ガイドボランティアの方曰く、市ノ瀬には昔、市ノ瀬集落があり、登山者や砂防工事関係者で賑わっていましたそうです。
温泉などもあり、白山登山を行う人たちの支えとなってきた場所でしたが、昭和9年7月の手取川大洪水により、集落は永井旅館を残してすべて流され、死者・行方不明者112名に上ったといいます。
市ノ瀬には大洪水の犠牲者のための慰霊碑があり現在でも慰霊に訪れる方がいるといいます。
また、炭窯ツアー中、イノシシやツキノワグマの痕跡が多く見られ、イノシシが体に付いたダニや寄生虫を落とすために泥浴びを行う、通称「ヌタ場」と呼ばれる場所やイノシシが食べ物を求めて地面を掘った後などが見られました!
また、ツキノワグマが樹皮を剥いだ後なども見られました。
クマが樹皮を剥ぐ理由についてはまだはっきりとは分かっていなくて、一説には樹皮の間にある養分をなめ取るための採食行動やメスへのアピールのためなどと言われているそうです。
こうして樹皮を剥がされた木は枯れてしまうことが多いそうです。
参加者の皆さんも興味深そうに観察してくれていました!
(左:イノシシが食べ物を探して地面を掘った後。右:クマが樹皮を剥いだ後。)
12:20 花炭配布
野営場に戻り、完成した花炭を参加者に配ります。
僕自身もわくわくしながら蓋を開けてみると......。
中の素材のほとんどが生焼け状態でした......。
残念ですがこればかりは仕方ないですね。
いきなりの実践だったのでこのような結果になってしまいました。
講師の方が言うには「火に掛ける時間が足りなかった」ということでした。
前もって一度練習しておけば良かったです......。
最後に新しく出来た市ノ瀬休憩所を見てもらい、閉会です!
13:30に国立公園センターにて解散しました。
予想以上に皆様楽しんでくれたようで嬉しかったです!
来年度も同じ様なイベントを開催出来たらと思っています。
また、今年度も冬の自然観察会を行う予定ですのでそちらの方にも是非参加下さい!
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【白山写真展開催】
レンジャーやパークボランティアが白山国立公園で撮影した写真を展示します。
興味のある方は是非お越し下さいませ。
会 場:くろば温泉 (富山県南砺市上平細島1098)
開館時間:午前10時~午後9時
休 館 日 :毎週火曜日
主 催 : 白山自然保護官事務所
共 催 :南砺市
後 援 :白山ユネスコエコパーク協議会
協 力 :上平観光開発株式会社
期 間 : 10月24日~11月12日
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