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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

白山国立公園の桂湖畔でオオキンケイギク除去活動!

2018年06月22日
白山国立公園 大石佳織

皆さん、こんにちは。
6月17日に白山国立公園の桂湖(富山県南砺市)に行ってきました。

(桂湖)
青い水面、深い森の緑、湖上を吹き渡る爽やかな風!湖面にはカヌーやウィンドサーフィンを楽しむ人、湖畔ではオートキャンプを楽しむ家族連れ・・・桂湖は、自然の中でゆっくりと過ごすことのできる雰囲気の素敵な場所です♪

しかし!
この写真にはのんびり見てはいられないものたちが写っています!
それは・・・これです!↓↓↓

(コスモスに似た黄色い花)
そう、この花々です。

「え!?何がいけないの??」と思いますよね。

このかわいらしい花は、5~7月頃に花をつけるオオキンケイギクという植物で何を隠そう「外来植物」です。
北アメリカ原産の植物で、明治中期に鑑賞や緑化のために日本に持ち込まれました。かつては積極的に種が蒔かれた場所もあるくらい身近な存在になっていた植物ですが、今は「特定外来生物」というものに指定されているちょっと特別な存在です。

特定外来生物とは・・・
「外来生物(海外起源の外来種)であって、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるものの中から指定されます。特定外来生物は、生きているものに限られ、個体だけではなく、卵、種子、器官なども含まれます。」
(以上、環境省の「日本の外来生物対策」WEBサイトより)

さらに特定外来生物は、法律で育てることも禁止されていて、違反すると、個人の場合は、最高で300万円以下の罰金 または 3年以下の懲役に!!!法人の場合は、罰金はなんと1億円以下です!!!
※詳細は「外来生物法(特定外来生物による生態系に係る被害の防止に関する法律)」をご確認ください。上記「日本の外来生物対策」WEBサイトからも確認できます。

では、なぜオオキンケイギクが特定外来生物に指定されたのでしょうか。
理由は、種子でも根でも増える強力な繁殖力を持っていて、一度定着すると、在来の野草を駆逐し、辺りの景観を一変させてしまうという性質があるためです。拡がると地域の生物多様性を脅かしてしまうんです。

(土手にみっしり生えてきたオオキンケイギク。根元に近い葉は細長いヘラ状)
このため、環境省では桂湖でも平成28年から白山生態系維持回復事業の一環でオオキンケイギクの除去をしており、今回はその除去作業を行ってきました!

除去活動は、地域の方にもボランティアでご協力いただいて実施しており、今年は、総勢37名の参加者が桂湖湖畔と駐車場の土手のオオキンケイギクなどに立ち向かいました!

(子ども、大学生、大人・・・みんなで除去作業!!)

作業の結果はご覧の通り!

(左:除去作業Before  右:除去作業After!)
参加者の皆さま、お疲れ様でした!


(除去物を計量中!)
除去量は 
 オオキンケイギク 75.5kg
 フランスギク 33.7kg
でした!

除去物は南砺市さんのご協力で運搬・焼却していただきました。

(除去され、運搬されるオオキンケイギク)
除去量は、平成28年は317kg、平成29年は276kg、今年は75.5kgと、嬉しいことにだんだん減っています。少しずつ、除去の効果が現れて生育量は減っているようです。このままの勢いで減り続けますように!


皆さんも、オオキンケイギクを見つけたら、駆除にご協力をお願いします。
ただ、駆除にはいくつか注意点があります!
駆除の方法や注意点について、詳しくは中部地方環境事務所の下記ページをご覧ください。
特定外来生物「オオキンケイギク」の駆除にご協力下さい!


グリーンシーズンとなり、白山国立公園では外来植物除去活動シーズンに突入しました!今後も除去活動にどんどん参加し、皆さんにご報告していきますね♪
また、除去活動の中には、一般の方にもご参加いただけるイベントもありますよ!興味のある方は情報をチェックしてください。

※イベント参加者募集の情報は、

6月1日の記事2018年06月01日 白山の自然を守る「生態系維持回復事業」とは? その2の最後に掲載しています!