中部地方のアイコン

中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

藤前干潟に感謝!

2018年03月28日
国指定藤前干潟鳥獣保護区 吉塚藍

あちらこちらで桜が開花!春を迎えた藤前干潟からこんにちは。

アクティブ・レンジャーの吉塚です。

(藤前干潟に時々現れるスナメリに先月2月出会うことができました!手前の1頭がちょうど水を吹いてます。)

突然ですが私、吉塚はこの3月で藤前干潟を離れることとなりました。

とても残念ですが、今まで本当にありがとうございました。

藤前干潟を通して、多くの人に出会うことができ、皆様方からは、今まで知らなかったことをたくさん教えて頂き、経験させて頂きました。

また干潟を通して、これまで知らなかった生き物にもたくさん出会いました。

特に干潟の泥の中に棲む小さな生き物たちの存在は知っているつもりでも、業務を通じて実際に自分の目で見ることができ、強い実感に変わっていきました。

藤前干潟は野鳥観察のスポットとしても有名ですが、野鳥について全く知識がなく、干潟という場所に、たくさんの鳥たちがやってくることに驚きました。

鳥たちがやってくる理由の一つは、干潟の泥の中に棲むゴカイやヨコエビやカニ、魚などの生き物を餌にするためで、干潟という場所では、盛んに食べたり、食べられたりという食物連鎖の様子をとても身近に見ることができます。

生き物たちが他の生き物たちに支えられて生きているのと同様に、私たち人間も多くの生き物たちに支えられていきていることを、実感することができました。

特に山や川から運ばれてくる水が海へ流れる前に、干潟に棲む生き物たちが水の中に含まれる有機物を食べて、水を綺麗にしてくれているということを知り、干潟という環境があることの大切さを実感しました。

これからも藤前干潟があり続けて欲しいと思うと共に、藤前干潟が抱える漂着ごみの問題から、社会全体のごみを始めとした環境問題に対して、何かできることを取り組んでいきたいと思います。

(昨年秋に撮影。ヨシ原の中を隠れ家にするクロベンケイガニ。周りにはペットボトルを始めとする漂着ごみが流れ着いています。ごみに絡まったり、または劣化で細かくなったごみを間違えて食べたりすることなどによって、たくさんの生き物たちの命が奪われています。藤前干潟だけでなく、世界中の自然環境が、今ごみによって破壊されていることを改めて知りました。)

この他にも短い間でしたが、藤前干潟から多くのことを学ばせて頂きました。

ありがとうございました。また遊びに来たいと思います。

▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶藤前干潟ホットニュース▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶

(3月20日のお昼頃に現れたコウノトリ。藤前干潟にやってくるのは、とても珍しいことでした!そのため名古屋市野鳥観察館から兵庫県立コウノトリの郷公園に報告した所、2016年64日に千葉県野田市より放鳥された「きずな」であることが分かりました。名古屋市で個体識別をできたコウノトリは今回が初だそうです。

▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶

最後になりますが、藤前干潟の1年の様子をご紹介して締めくくりたいと思います♪

(昨年の5月にチュウシャクシギを撮影。春にはシギ・チドリなどの渡り鳥たちがたくさんやってきます。時々鳴き声も聞こえてきて、とても賑やかな雰囲気に。これからが出会えるシーズンです。)

(昨年の夏にトビハゼを撮影。夏はトビハゼやヤマトオサガニなどが活発になる時期なので、あちらこちらで可愛い姿をたくさん見ることができました。鳥はウミネコが多く、ヨシ原の中からはオオヨシキリが盛んに鳴いていました。)

(秋にハマシギの群れを撮影。秋になると、シギ・チドリなどの渡り鳥たちがたくさんやってきます。ハマシギが群れで飛んでいる姿は、「干潟の宝石」と言われるほどとても綺麗です。また秋には夕方に干潟が出ることが多くなるので、干潟と夕日を同時に撮影することもできます♪)

(昨年末にオナガガモのペアを撮影。冬にはカモってこんなに種類がいたのか!と思うほど、多くのカモたちがやってきます。寒い時期ですが、カモのしぐさって癒やされて・・・とてもあたたかい気持ちになれます。)

この他にもまだまだ魅力がたくさんありますが、この辺で。

藤前干潟を今後ともよろしくお願いします!

皆様1年間ありがとうございました。

名古屋自然保護官事務所のAR日記へのご意見・ご感想がございましたら、ぜひメールをお願い致します。

→ WB-NAGOYA@env.go.jp