アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
【報告】「カヤネズミ」の講演会と今後の藤前干潟に関するイベント
2017年11月28日毎日毎日、ごーごーと伊吹おろしの吹きすさぶ藤前干潟から、こんにちは。
アクティブ・レンジャーの西部です。
空気が澄んで、ここ藤前干潟からも鈴鹿山脈が良く見えるようになるこの季節、ちょっと寒いなぁ~と思うと、藤原岳の山頂辺りがうっすらと白くなっていたりして、冬の訪れを感じます。
そして、稲永公園ではジョウビタキやカワラヒワなども見かけるようになり、ヒドリガモの群れが稲永VC前の草地でもぐもぐと草を食べているところに出くわすと、またまた、あぁ冬だなぁと感じます。
<ヒドリガモの群れ> <カワラヒワ>
この間は、草地でこんな可愛らしいお客さまにも出会いました!
イソシギです。
干潟にいるものとばっかり思っていたイソシギなのですが、草地で餌をとることがあるんですね。地面の中から幼虫らしきものをつまんで、パクっ!寒い時期の干潟は、カニもゴカイも泥の奥深くに潜ってしまって、餌をとるのが大変なんでしょうか??
<左:イソシギ、右:嘴を拡大!幼虫みたいですね!>
さて、ようやく本題ですが、、、めっきりと冬めいてきた藤前干潟で、先日11月23日に、講演会「カヤネズミ~草地に生きる小さな哺乳類~」が開催されました。
なごや生物多様性センター(http://www.kankyo-net.city.nagoya.jp/biodiversity/)の野呂達哉氏を招いての講演会で、名古屋市におけるカヤネズミの現状についてお聞きしました。
ところで、皆さま、カヤネズミってご存知でしたか?
日本に棲むネズミの中では一番小さくて、わずかに体重7~10g程という、なんとも可愛らしいネズミで、イネ科の植物を巧みに使って球状の巣を作ることで知られています。しかしながら、最近はヨシ原や水田などが減ってきていることから、数を減らしているのではないかと心配されている生きものの一つでもあります。
藤前干潟に流れ込む庄内川沿いの河川敷には生息しているとのことですが、なぜか、下流部の港区に入ると確認が難しいそうで、原因ははっきりとはわからないとのこと。塩水であることや、潮の満ち引きによるヨシ原の浸水時間なども影響していそうですね。
私はこれまで、渡り鳥やカニやトビハゼなど干潟の生きもののことばかり注目してきたので、哺乳類などはあまり頭にありませんでした。けれど、「藤前干潟鳥獣保護区」と一口に言っても、海域、干潟、河川、河川敷などの陸域、と様々な環境が合わさって成立している自然環境なんですよね。まだまだ知らないことばかり。
もっと視野を広げなければっ!などと思った日でもあり、今回のテーマは、私にとっても勉強になる講演会でした。
でも、ちょっとお子さま方には難しかったかな?
参加いただいた皆様、ありがとうございました!
藤前干潟にある藤前活動センター、稲永ビジターセンターでは、藤前干潟を通じて様々な環境や生きものについて学べるプログラムを行っています。今週末には、今年度最後のプログラムが予定されていますので、興味のある方はご参加ください。
このほかにも、まだまだ藤前干潟に関するイベントがありますよ。
●藤前干潟ふれあい事業 藤前干潟サイエンスカフェ
「フクロエビ類ってなぁに?~ヨコエビをはじめとする小型甲殻類の暮らし~」
東海大学の田中克彦先生を招いて、フクロエビ類ってなぁに??というお話をお聞きします!
エビ?いやいやエビではないんです!
藤前干潟で良く見られるのはヨコエビの仲間たちなのですが、ちらっとお聞きしたところでは、ダイオウグソクムシとか、フナムシとか・・・みーんなフクロエビ類、なんだとか?!
ちょっと興味がわいてきたのではありませんか?
フクロエビ類ってなんぞや?
皆さま、ぜひぜひ、ご参加ください!
講 師:田中 克彦氏(東海大学海洋学部講師)
日 時:平成30年1月20日(土) 14:00~15:30
場 所:稲永ビジターセンター(名古屋市港区野跡4-11-2)
対 象:一般
定 員:20名
参加費:無料
申込み:メール、はがき、FAXで申込
締切日:平成30年1月14日(日)必着
申込・問合せ先:
環境省名古屋自然保護官事務所
TEL:052-389-2877 FAX:052-389-2878
メール:WB-NAGOYA@env.go.jp
●レンジャー写真展2017 in 名古屋
帰って来たレンジャー写真展!
今年度、最後の写真展は、日ごろから藤前干潟の普及啓発にご協力いただいているイオンスタイル名古屋茶屋店さんで行いますので、ぜひ皆さまご来場ください。
期間中には、1日だけのワークショップも実施します。
詳細については、現在、いろいろと打合せ中ですので、また近くなりましたらご連絡いたします。
日 時:平成30年1月17日(水)-1月30日(水)
場 所:イオンスタイル名古屋茶屋店
入場料:無料
問合せ:環境省 名古屋自然保護官事務所