アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
イタセンパラ保護増殖事業
2017年11月02日こんにちは、立山自然保護官事務所の中山です。
いつもは山に行ってばかりの私ですが、珍しく川に行ってきました。
環境省長野自然環境事務所では、希少種の生息環境の保全を図るため、「イタセンパラ」の生息地における特定外来種の駆除を実施しています。
イタセンパラについては、下のページもご覧ください。
http://www.env.go.jp/nature/kisho/hogozoushoku/itasenpara.html
【イタセンパラ】10月25日撮影
手前の魚が、イタセンパラです。
イタセンパラは環境省レッドリストで絶滅危惧IA類に分類され、種の保存法で国内希少野生動植物種に指定されています。
漢字で書くと「板鮮腹」、板のように平べったく産卵期には鮮やかな色になることからこの名前がつけられました(ちなみに、奥の魚は「ミナミアカヒレタビラ」で同じく環境省レッドリストでIA類に分類されています。)。
富山県氷見市では、富山大学との連携研究室「ひみラボ」を拠点に、イタセンパラの調査、保護、啓発活動等を行っています。
今回は天敵となるオオクチバスの駆除調査に同行し、イタセンパラの生息地の状況や現地の取り組みを確認しました。
氷見市教育委員会の学芸員の方やNPO法人 BIOクラブの代表の方に、駆除を行っている2つの河川に案内していただきました。
【地引き網によるオオクチバス駆除作業の様子】10月25日撮影
イタセンパラが生息するためには、エサとなるプランクトンや卵を産みつける二枚貝が生息していることが重要です。
イタセンパラは秋にイシガイ等の二枚貝に卵を産み付け、貝の中で仔魚(しぎょ)にふ化して冬の間を過ごします。
春になり、貝から出てきてからは動物プランクトンや植物プランクトンを食べて成長します。
【イシガイ】10月25日撮影
川での駆除作業後は、イタセンパラ保護池に案内していただきました。
イタセンパラの保護増殖を行うとともに来訪者が自然と触れあえることができる施設であり、イタセンパラが住みやすくするための環境を整備しています。
【イタセンパラ保護池】10月25日撮影
ひみラボ内にある「ひみラボ水族館」では、イタセンパラやその他淡水魚等の生態展示、事業の取り組みを紹介した展示等が見られます。
ぜひ訪れてみてください。
詳細はウェブサイトをご覧ください。
https://sites.google.com/site/himilab/
【ひみラボ水族館】10月25日撮影