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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

干潟じゃないとツライんです。

2017年09月27日
国指定藤前干潟鳥獣保護区 吉塚藍

半袖が少し寒く感じられるようになり、晴れ空が綺麗になってきた藤前干潟からこんにちは。

アクティブ・レンジャーの吉塚です。

(みんなでポカポカお昼寝タイムのカルガモ)

今日は干潟のアイドル。トビハゼ特集です!!


前回の記事にも紹介されたトビハゼが、藤前干潟では今たくさん見ることができます。

今回、西部ARが発見し、近くで撮影することができました♪

愛くるしいルックスの彼等は、多くの人に知られていますが、私はこれまで野生のトビハゼを間近で見たことはありませんでした。

それが、今は間近でたくさん見ていることにびっくり!!感動です!!!


魚なのに、本当に泥の上でぴょんぴょん跳ねています!!


潮がひくと、水際を追っかけるようにしてたくさんのトビハゼたちが跳ねてきていました。

トビハゼのことを調べてみると、彼等はえら呼吸と皮膚呼吸をしているようで、普通の魚のように水中で過ごそうとすると、どうやら溺れてしまうそうです。

かと言って、カラカラに乾いた場所では、えら呼吸ができず、また皮膚をある程度、湿らせることが必要で、よく泥の上で体を転がせて全身泥パックをしているような姿を見かけます。

干潟という環境のような場所でしか生きられない彼等は、限られた環境でたくましく生きています。

これからも彼等が生きていける環境があり続けるように願います。


(ヨシにつかまっているカワザンショウガイの仲間)

またトビハゼと同様、ヨシ原が広がる干潟の環境で生きる巻き貝がいます。

カワザンショウガイという貝なのですが、数ミリ程度の大きさで、実はいくつか種類がいます。

ただし、見ただけではどの種類か判別するのは難しいので、私たちはカワザンショウガイの仲間としか呼べません。

彼等も水中で過ごすことは苦手なようで、湿った泥の上にいることが多いです。写真では水から逃げるようにヨシの茎につかまっていました。

今回紹介したトビハゼとカワザンショウガイの仲間たちはどちらも、干潟の減少と共に数が少なくなっている生きものです。

まだ見たことがない方は、ぜひ一度藤前干潟で見て欲しいです。

(※干潟は見られる時間帯が限られており、また泥で足を取られる危険性もありますので、見られる場所、時期や時間等については、事前に稲永ビジターセンターか藤前活動センターにお問合せください。また観察会なども実施しておりますので、各センターまでお問合せください。)

今トビハゼは、稲永ビジターセンター側の干潟でよく見られています。


(いつの間にか他のカニをおんぶしているヤマトオサガニ)

●藤前干潟の今後のイベント

 【石ころ干潟観察会①~石の下には何がいる?~】

 干潟にたくさん転がる石の下に隠れている生きものたちをのぞいてみます!

 様々な生きものたちに会えることでしょう。

 日 時:平成29年107日(土)13:0015:30

 場 所:藤前活動センター(名古屋市港区藤前2丁目202番地)

 対 象:一般(幼児~大人)※小学3年生以下は保護者同伴

 定 員:20名

 参加費:大人200円、小中学生100円、幼児無料

 申込・問合:藤前活動センター(TEL:052-309-7260

 主催等:環境省中部地方環境事務所

     藤前干潟ふれあい事業パートナーシップ事業