アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
『保護と利用』の先進地-五色ヶ原- @乗鞍
2017年05月26日5月20日(土)は五色ヶ原の開山祭でした。
五色ヶ原は中部山岳国立公園の南端に位置し、乗鞍岳の岐阜県側山麓に広がる
溶岩台地にできた森です。
認定ガイドが同行することでのみ入山が可能で、オーバーユースにならないよう
入山者の人数制限も行われています。
国立公園というと自然を守る「保護」だけをしていると思われがちですが、
適正な「利用」も推進しています。
ここ五色ヶ原のシステムは、まさに 『自然を守りつつ利用する』 という
先進的な取り組みで、岐阜県丹生川村(現高山市)が2004年にスタートさせました。
案内してくださるガイドさんたちは地元の自然を熟知しており、五色ヶ原の植生や地形、
生活と山との関わりなどいろいろな話をしてくれます。
<出発前のレクチャー風景>
「岐阜の宝もの」にも認定されている五色ヶ原の魅力はなんといっても『 豊富な水 』!
旧丹生川村はダムを作らなくても水力発電が可能なほど豊富な水に恵まれた土地だそうで、
コース中にはたくさんの素晴しい滝があります。
<青垂(あおだれ)の滝 雄滝>
寝っ転がると、柱状節理の段々岩を水が流れ落ちてくる様が、一層の迫力で見えるそうです。
こんな感じに見えました。
<布引の滝>
水の流れが幾重もの糸のように繊細に広がっていて、水のベールのようでした。
驚くことに、上に紹介したふたつの滝は、湧き水の流れでできているのだそうです。
布引の滝の上部をクローズアップするとこんな。
川じゃないでしょう?
それでこんなにも大きな滝ができるなんてすごいですね!
この豊富な水が、乗鞍の溶岩の巨岩が積み重なった地形とあいまって、
素晴らしい苔むす森をつくっています。
苔好きにはたまらないようで、新たな苔を発見すべく訪れる研究者も
後を絶たないようですよ。
どうぞ五色ヶ原を訪れてみてください。
豊富な水が作り出す豊かな自然の表情と、その自然を愛するガイドさんたちの話に
魅了されるはずです。
詳しくはこちらにて↓
「五色ヶ原公式サイト http://goshiki2004.com/ 」