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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

狩りの風景

2017年03月03日
国指定藤前干潟鳥獣保護区 平賀歩美

梅が咲く稲永ビジターセンターからこんにちは。

名古屋自然保護官事務所の平賀です。

伊吹おろしが吹き寒かった藤前周辺も、日によっては暖かさを感じる今日この頃です。

さて、1月末に行われたサイエンスカフェを最後に

名古屋自然保護官事務所で今年度の実施予定だったイベントは全て終わりました。

こんな感じで、来年度まで割と静かな名古屋自然保護官事務所ですが、

毎日、事務所の前の庄内川・新川河口では、たくさんの鳥たちで賑わっています。

そんな中、餌を求めたミサゴのダイナミックな捕獲シーンを目撃しました!

昼休みに庄内川沿いの園地に出てみるとミサゴが2羽、割と低い位置で旋回中。

「低いところを飛んでるなー」と思った次の瞬間...

1羽のミサゴが落ちてきた!

...いや、落ちて来るわけないですね。

ミサゴの餌は生きている魚。海中の魚目掛けて、水中に足から突っ込んでいき、

魚を捕食するのが彼らの狩りの手法なのです。

この迫力はちょっと感動もの。

一回目は、写真を取り逃しましたが、

二回目はなんとか?写真に納めましたので(ピントは微妙ですが)確認してみましょう。

狙いを定めたら、羽を閉じて急降下(上記写真)。

海面ぎりぎりまで落ちてきたら脚で獲物を狙う体勢を作り、

すごいスピードで脚から飛び込んでいきます。

写真と文章ではスピード感が伝わらないのが残念!

ざぶんっ!!

写真で見ると「まるで溺れている...」ようですが、

すぐに海中から浮上してきた図です。

体をぶるぶる震わせ水を切りながら飛んでいくミサゴ。

ミサゴの足下を見ると魚が捕まれていないので、

今回の狩りは残念ながら失敗した様ですね。

再び空へと上昇。

さて、ミサゴが上空に戻っていった後に、海上でけたたましい鳴き声が。

目をやるとユリカモメが2羽戯れていたのですが、

その後、こんな状態に。

2羽とも潜って何しているのかと思って見ていると、

なんと!

その下から魚をくわえたカンムリカイツブリが出てきましたよ!

(カンムリカイツブリは水中に潜って魚を捕らえます。潜水上手)

ユリカモメはカンムリカイツブリが捕った魚を狙っていたようです。

逃げるカンムリ!(右下に魚をくわえたカンムリカイツブリ)

さて、この後のユリカモメのアタックにカンムリカイツブリが逃げ切れたのかどうかは、

3羽が団子状態になったため未確認です。

こんな感じに、国指定藤前干潟鳥獣保護区では色々な鳥の世界を垣間見る楽しさがあります。

また、最近では冬羽から夏羽に変化する鳥も確認されおり、冬から春へと季節の変化を鳥たちから教えてもらえます。

場合によっては、冷たい北風が吹き荒れるかもしれませんが、

そんな時は、稲永ビジターセンター、藤前活動センターの館内から藤前干潟を観察できますので、ご安心を。

是非、賑やかな藤前干潟にお越しください。