アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
2017年シーズン、活動開始!
2017年02月21日2月18日、群馬県登山指導センターの開所式が行われました。
このセンターは、昭和41年12月20日に制定された群馬県谷川岳遭難防止条例により、設置された施設です。約50年の歴史を持ち、谷川岳登山の安全を、長い間、見守ってきました。
■群馬県谷川岳遭難防止条例制定までの経緯■(群馬県谷川岳登山指導センターHPから抜粋)
『谷川岳はその独特の山容から年間を通じて多くの登山者が訪れ、
中でも一ノ倉岳を中心とする急峻な岩場地帯には、滑落の危険にもかかわらず、
登坂成功の喜びと達成感を得るため、多くのクライマーが果敢に挑戦しています。
遭難防止条例が制定された昭和41年までには455人にのぼる登山者が、尊い命を落とし、
特に昭和41年には37人もの命が失われています。
この当時の登山者には、登山経験が未熟なうえ、十分な登山計画や山岳装備を持たず
に入山するケースが多く、また天候の急変など様々な原因が影響し、遭難事故に至っています。
このため、これらの不慮の事故発生を防止し、かけがえのない尊い命を守るため、
群馬県谷川岳遭難防止条例が制定されました。
この条例では、特に死亡事故の発生数が多い、
一ノ倉岳から南面の山域を登山危険地区と位置づけ、ここへ入山する登山者に対し、
登山届け、又は登山計画書の提出を義務づけることにより、遭難事故を未然に防止し、
登山に対する心構えと、安全啓発を行うことを目的としています。』
当日は、雪混じりの強風が吹く中、約20名が出席しました。
【関係機関】群馬県観光局観光物産課
登山指導員
群馬県警沼田警察署
谷川岳警備隊
谷川岳ロープウエー株式会社
みなかみ町長(代理:観光商工課)
群馬県山岳連盟会長
谷川自然保護官事務所
登山指導センター所長から、ザイルやピッケルの装備品が、登山指導員一人一人へ貸与されました。
その受け取る手から、任務への強い思いが伝わってきます。
登山指導員主任から、宣誓の言葉。
センター長の挨拶後、群馬県警沼田警察署長、みなかみ町長(代理:観光商工課)、群馬県山岳連盟会長らが、祝辞を述べました。
【群馬県山岳連盟会長】
昨年12月の閉所式以来、館内に眠っていた看板を表に出し――――
2017年シーズン、いよいよ活動開始です!
登山指導員、谷川岳警備隊の笑顔が、遭難や事故を吹き飛ばしてくれそうです!
谷川岳登山指導センターには、
山岳に詳しいプロフェッショナルな登山指導員の方々がいらっしゃいますので、
登山についてのご不明な点など、気軽にたずねてみてはいかがでしょうか。
昭和41年の37名以降、死亡者は年々減少し、平成28年は2名でした。
ただ、この2名は、一ノ倉沢の岩場での死亡ではなく、一般登山道上で、発作や転倒によるものです。