アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
五感で楽しむ観察会
2016年12月06日伊吹おろしが吹き始めた藤前干潟からこんにちは。
名古屋自然保護官事務所のアクティブレンジャー平賀です。
(オスのヒドリガモ)
国土の3分の2が森林の日本。中部地区国立公園のアクティブレンジャー日記を見ていると、
美しく紅葉している山の写真に胸が躍ります。
そんな雄大な山の紅葉にスケール感では負けますが、
名古屋自然保護官事務所がある稲永公園の落葉樹も紅葉しています。
また、この季節に色が変わるのは木だけではありません。
藤前干潟に渡ってくるカモたちも、オスは地味なエクリプスから美しい繁殖羽に変わっていきます。
※エクリプス...オスのカモに見られ夏から秋に見られる非生殖羽。メスのような地味な羽に換羽する
さて、そのような中、11月27日(日)に稲永ビジターセンターでは、
環境学習プログラムの「干潟の世界へのはじめの一歩【トリ編】」が行われました。
この環境学習プログラムは、藤前干潟の観察会に初めて参加する人を対象としたプログラムとなっており、
今回はその第三弾となります。
朝からあいにくの雨模様ではありましたが、
まずは室内で、カモ類を探すカードゲームやオナガガモの渡りの紙芝居、
スタッフ手作りの実寸大のぬいぐるみ!等でカモの生態を学習した後、
(左:名古屋市野鳥観察館からバードウォッチング 右:稲永公園から野鳥を観察)
お隣の名古屋市野鳥観察館へ行き、スタッフからの解説を聞きながらスコープで
干潟にいるカモ始めミサゴやダイシャクシギなどを観察しました。
それから小雨であったこともあり少しだけ屋外に出て、
鳥の鳴き声を聞くなど五感を使って間近でカモやカモメ類を観察しました。
(藤前干潟に飛来してくるカモについて振り返り)
最後は、また室内に戻ってみんなで振り返りです。参加された方も冬の藤前干潟や渡り鳥について、
新しい発見があったのではないでしょうか。
ちなみに環境省が行っている渡り鳥の飛来状況調査によると、
藤前干潟で12月上旬に見られた種としてカモ類だけで11種、数としては約4000羽!
1日数時間のカウント調査でこの数になります。
(こちらに泳いで来るスズカモ御一行様:目が黄色で体が黒と白いオスと体全体が黒いメス)
(11/24のカモ達。庄内川のヨシ原の脇で休むカモの群れ)
満潮でも干潮でも藤前干潟のあちこちで、
美しい繁殖羽に変わったカモ達の食事風景や寝姿、泳ぐ姿等々が見られます。
また、雨でも鳥は観察できると思いますのでご心配なく。
(左:ヒドリガモのメス 右:カンムリカイツブリ(カモではありません...))
さて、2016年もあと30日ほど。2017年(来年は酉(トリ)年です!)が見えてきましたね。
ということで、来年予定されている藤前干潟でのイベントのご紹介です。
○藤前干潟ふれあい事業 藤前干潟サイエンスカフェ○
【藤前干潟とつながる海-伊勢湾の流れ-】
藤前干潟にすむたくさんの生きものたちを支える環境をつくっている海の流れ。藤前干潟とつながる海-伊勢湾-や藤前干潟のまわりにはどんな流れがあるのかを学ぼう!
【お問合せ・お申込み先】
日 時:1月28日(土) 13:30-15:00
場 所:稲永ビジターセンター 1階 レクチャールーム(名古屋市港区野跡4-11-2)
内 容:藤前干潟にすむ沢山の生きものたちを支える環境をつくっている海の流れ。藤前干潟とつながる海-伊勢湾-や藤前干潟のまわりにはどんな流れがあるのかを学ぼう!
行き方:あおなみ線「野跡」駅下車 徒歩15分
定 員:20名
申込み:事前申込み 締切り1月23日(月)必着
参加費:無料
問合せ:環境省名古屋自然保護官事務所(TEL:052-389-2877)
飲み物やお菓子の持ち込み大歓迎!
http://chubu.env.go.jp/wildlife/fujimae/event/index.html
是非チェックしてみて下さい。
今回の干潟観察会の主役はカモでしたが、
今、藤前干潟ではカモメ類、チドリ類・シギ類と
多くの種類の鳥を観察出来ます(12/2にはハマシギが1128羽カウントされました)。
(11/16撮影。ユリカモメ、ハマシギ、コガモなど)
どんな鳥が見られるのかは...鳥の気分次第?!ではありますが、
伊吹おろしに負けないよう、防寒対策をしっかりしてお越し下さい。
藤前干潟でお待ちしています。