アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
オオメダイチドリ?
2016年09月26日皆様こんにちは。
名古屋自然保護官事務所のアクティブレンジャー平賀です。
だいぶ日差しも落ち着いて...秋ですね。
と思いカメラを持って庄内川左岸沿いを、巡視に出かけた9月14日の昼間。
ところが、この日の日中は曇り空にもかかわらず日差しはじりじりと暑く、
そして堤防の遊歩道の照り返しがまぶしくて涙がでる始末です。
右下の黒い点々が、夏にロシアやアラスカで繁殖を終え藤前干潟に渡ってきているシギ・チドリ類です。
これは干潟の一部ですが、こんな感じで多くの渡り鳥を見に出向いたわけです。
(ダイゼンとオオソリハシシギ)
私がカメラを抱える横には、人生の先輩といえるご年齢の方。
挨拶を交わしたところ、その方に「なかなか藤前干潟では見られないという貴重な鳥オオメダイチドリがいるから撮影しておくといい」といろいろレクチャーをいただきました。
オートで撮ってはいるものの「手ぶれが...」とつぶやいたら「寝ころがって撮影すべし」とのお言葉。
ということで、2人で日にさらされた熱い遊歩道に腹ばいになりながら撮影。
(3羽のメダイチドリ)
(左:メダイチドリ 右:オオメダイチドリ(?))
いかかでしょうか?
腹ばいになった効果を感じていただければ幸いです。
ちなみにオオメダイチドリとは、メダイチドリより大きく、足が長い。
メダイチドリの足は黒く、オオメダイチドリは黄色みがある。
メダイチドリは首の脇から胸にかけて濃いオレンジ色。
そして、オオメダイチドリは首まわりがぼんやりしているということです。
が、さすがに目視、ファインダー越しでは見分けることは難しいので、
パソコンで見分けるのがポイントですが、それでもなお個体差があるので見分けるのは至難の業?です。
ちなみに、野鳥観察歴の長い方に聞いたところ「メダイチドリじゃないか?」とのこと。
確かに、足の黄色みが...。胸の茶褐色が脇にかけてあるような...。
さて、藤前干潟には秋の渡りの季節がやってきており
干潮時を狙っていくと、多くの渡り鳥が見ることができます。
http://chubu.env.go.jp/wildlife/fujimae/links/index.html
(こちらのページに気象庁の潮位表が見れるページがリンクされています)
(左:ダイゼンの幼鳥 右:冬羽に変わる途中のダイゼン)
ちなみにダイゼンとムナグロ、同じチドリ目チドリ科ムナグロ属で夏羽の見た目は似ています。
が、食べる物に違いがあり好む環境が違うようです。ムナグロは昆虫類、ダイゼンはゴカイ、二枚貝等です。
また、見た目で言えば下腹部分から尾にかけて白いのがダイゼン、白黒の斑模様なのがムナグロです。
干潟にくる鳥たちについて、
稲永ビジターセンター(または藤前活動センター)にある様々な展示物と共に
藤前干潟の今を確認されると、楽しいことと思います。
http://chubu.env.go.jp/wildlife/fujimae/institution/index.html
今回、メインで鳥を取り上げましたが、底生生物も撮影しましたよ!
分かりづらいですが、写真の中にチゴガニが2匹います。探して見て下さい。
(チゴガニとフトヘナタリとカワザンショウガイ)
黄色い○の中にカニがいます!